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富山民謡の響きに込められた思いとは

民謡の宝庫と言われている東北地方に負けるとも劣らず、富山県には多くの民謡が存在します。特に五箇山地方と呼ばれる袋小路の村落においては、古くから筑子(こきりこ)節などの民謡が多数、歌い継がれてきただけでなく、これら民謡の多くには、他の地方でも類を見ない独特な囃子詞が含まれています。中でも軽快なリズムにのって唄われる「トイチンサ」の異色な響きには特筆すべきものがあります。そこで唄われる歌詞のおよそ半分は、訳の分からない不可解な囃子詞の連続であり、正に日本語離れしているからです。

「トイチンサ」の語源は、古事記や日本書紀にも登場するミソサザイという体長10cm程の小さな鳥に起因すると言われています。五箇山地方では、このミソサザイを「サイチン」と呼びます。この鳥が人里を訪れ、樋(とい)に舞い降りて来ることから、「トイのサイチン」と呼ぶようになり、それがいつしか略されて「トイチンサ」と囃されるようになったと解釈されています。そしてサイチンは体が小さくても、大きく「チリチリ」と楽しそうに朝夕さえずるため、その声を聞いた人々が、サイチンと同様にいつも一生懸命、元気に働くことができることを祈願して唄ったのが、この囃子詞の所以だそうです。しかしお祭りの唄に、鳥と樋を結び付ける解釈には、少々無理があるようです。

ヘブライ語で「トイチンサ」を解釈すれば、その題名だけでなく、これまで不可解だった囃詞の意味も理解することができます。まずは題名の「トイチンサ」ですが、これはヘブライ語のtso'ed、トエッド(tso'ed、トエッド)とeenshallah、エンシャラ(eenshallah、エンシャラ)という2つの言葉が語源にあります。前者は「行進」、後者は「神の御心により」を意味し、合わせて「神の(御告げによる)行進」となります。また発音においては「トイッディンシャラ」となり、これは早く発音すると「トイチンサ」とも聞こえます。この題名から「トイチンサ」という唄がユダヤ人の信仰に深く関わっていることがわかります。 次に「ヤレカケ、ハヤセヤ」と「ヤサレーチ、トチレーチ」と唄われる囃子詞を検証してみましょう。「ヤレカケ」は「神」を意味する「ヤ」に、「万歳」「健康であれ!」のle-khayekhem、レカェケム(le-khayekhem、レカェケム)が付加された言葉です。その発音は「ヤレカェケ(ム)」となり、「神に万歳!」の意味です。「ハヤセヤ」は、ヘブライ語で「真っ直ぐ」を意味するhaysher、ハヤセー(haysher、ハヤセー)という言葉の語尾に「ヤ」が付いて、「真っ直ぐの神」という意味になります。また「ヤサレーチ」ですが、「残留者」を意味するsaridey、サレーディ(saridey、サレディー)と発音するヘブライ語に神の「ヤ」を付加して「ヤサレーディ」とすれば、「神の(選ばれた)残りの民」という意味になります。この言葉の背景には、ユダヤ人が国家を失った際に、残された一部の民が、選ばれた「神の民」として約束の地を受け継ぐという聖書の教えが秘められています。最後に「トチレーチ」ですが、これはその発音とほぼ類似したtotseret、トチェレート(totseret、トチェレート)というヘブライ語が語源です。この言葉は「生産する」、「作る」という意味を持っています。

遠い昔、ユダヤ人が約束の地である日本という新天地で祝福されたことを唄ったのが「トイチンサ」です。いつも神を誉め讃え、ひたすら真っ直ぐに行進した神の「残りの民」が、この日本の地で授かった豊かな恵みを、この民謡の囃子詞は語り継いでいます。