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2021/09/17

ヘブライ語で解明できる囃子詞の数々

はじめに

全国各地で開催される祭りでは、様々な民謡が唄われ、そのメロディーと高らかな歌声にそって、大勢の人々が踊りながら祭りを楽しみます。その祭りで唄われる民謡の囃子詞の中には、誰もが一度は聞いたことがあるような掛け声が少なくありません。

天岩戸神社の御神幸祭
天岩戸神社の御神幸祭
祭りで唄われる民謡の囃子詞の中でも、誰もがよく耳にするものをいくつか挙げてみましょう。「エンヤー」「ヨイセ」「ヨイヨイ」「ヤートセー」「ヨイショ」「コリャコリャ」「ドッコイ」「ナギイド」「サッサ」「ヤーエ」「ヤーレン」「ドオスコイ」など、一度は聞いたことがある囃子詞は数多く存在します。

これら囃子詞の多くは、一見、日本語では単なる掛け声にしか聞こえないものでも、実はヘブライ語で読むと、きちんとした意味をもっていることがわかります。例えば、北海道民謡であるソーラン節は、ヘブライ語で歌詞の意味を理解することができます。「ヤーレン・ソーラン」と唄われる言葉には、「一人でも神に喜び歌う!」という意味が込められています。それは、一人で海を航海する漁師が、神に守られながら航海を続ける際に唄う、信仰の唄だったのです。また、その後に続く「チョイ・ヤサエ・エンヤン・サー」は、「まっすぐ目指す!」という意味のヘブライ語として理解できます。

古くから唄われてきた民謡の歌詞がヘブライ語で理解できるということは、少なくとも遠い昔、その地域に大陸からユダヤ民族が渡来して、日本文化の形成に一役を担った可能性が考えられます。また、ヘブライ語に精通している日本の学者が日本語とヘブライ語をブレンドした唄を書いたという可能性も否定できません。いずれにしても、古代から唄われてきた民謡の中には、ヘブライ語で書かれた歌詞が存在し、そのヘブライ文化の影響力は北海道だけに留まらず、日本全土に広がっていました。

「エンヤー」の意味は「私と神」?

「エンヤー」という甲高い声で親しまれている囃子詞は、ヘブライ語でその言葉の意味を理解することができます。עין(en、エン) はヘブライ語で「泉」、もしくは「目」を意味します。そしてיה(ya、ヤ) は、神の呼び名です。すると、「エンヤー」という言葉が「神の泉」「神の目」を意味することになります。

ニシン漁の様子 (提供: 積丹町)
ニシン漁の様子 (提供: 積丹町)
古くは海や川、湖畔で唄われる民謡において、人々の生活を守り、温かい眼差しをもって見守ってくださる神の恵みを思いつつ唄った囃子詞が「エンヤー」だったと考えられます。その背景には、海や川にて漁をする人々の姿があり、「神の泉」である豊かな水源を大切にした人々の思いが込められていたのでしょう。

また、別の解釈もあります。ヘブライ語で私のことをאני(ani、アニ) といいます。「神」は「ヤ」ですから、2つの言葉を合わせると「私と神」、すなわちאני יה (aniyah、アニヤ) となり、「エンヤー」とほぼ同じ発音になることがわかります。

神の恵みを祝う祭りの場において、大勢の人々が自分と神とのつながりを喜び踊りながら、「エンヤー」「アニヤー」と声高らかに歌ったと想定するならば、後者の解釈が妙味を帯びてきます。

「エンヤラヤー」は「神よ!私は行きます!」

「エンヤー」の響きに似たもう一つの囃子詞が「エンヤラヤー」です。その語源は、ヘブライ語の「アニ・アーレル・ヤー」ではないかという説があります。「アニ」は前述した「私」を意味するאני(ani、アニ) です。ヘブライ語で「讃える」ことを意味するהלל(halal、ハラル) の語尾に「神」の「ヤ」を足すと「ハラルヤ」となります。合わせて「アニ・ハラルヤー」となり、「私は神を讃える」という意味になります。それが多少訛って「エニハラヤー」「エンヤラヤー」になったと推測するのです。

もう少しわかりやすい解釈があります。ヘブライ語では「いきましょう!」「進み続けましょう!」を意味するיאללה(yallah、ヤラ) という言葉があります。すると、אני יאללה(aniyallah、アニヤラ) は、「我は行く!」、英語ではLets goという意味になります。その語尾に「神」を意味する「ヤ」を加えると「アニヤラヤー」となります。「エンヤラヤー」と聞こえるだけでなく、その意味は、「神よ!私は行きます!」という元気いっぱいの叫び声になります。

「姉こもさ」の「ヤーエー」はヘブライ語?

秋田民謡に「姉こもさ」と呼ばれる恋心を唄ったロマンチックな民謡があります。この唄は元来、銭吹唄の一つで、鉱山で働く職人によって精錬する際のリズムに合わせて唄われながら広まりました。「姉こもさ、ヤーエー」と抑揚をつけて声高らかに叫ぶところからこの唄は始まります。

しかしながら、「姉こもさ」の意味はわかりにくいだけでなく、その後に続く囃子詞、「ヤーエー」という掛け声も、日本語とは思えない不可解な言葉です。「ヤーエー」はおそらく、ヘブライ語で創造主の神を意味するיהוה(yhwh、ヤーエー) が語源であると考えられます。

その前提で「姉こもさ」を読み直すと、意外にも、その直後に続く一連の囃子詞の意味が、ヘブライ語で浮かび上がってくるのです。「姉こもさ」の「アネ」という言葉は「私」を意味するאני(ani、アニ) でしょう。「コモ」はヘブライ語で「立ち上がる」を意味するקומ(kum、クム) です。この言葉の発音は「コモ」とも聞こえます。よって、この2つの言葉を繋げると「アニ・コモ」「姉コモ」となり、「私は立ち上がる」という意味になります。

そして語尾に「前に進め」「行く!」という意味を持つסע(sa、サ) を付加することにより、「姉こもさ」の意味が明確になります。それはヘブライ語で、「我、立ち上がって行く!」、「立って進め!」という意味だったのです。これはまさに、働く人が疲れを知ることなく、足を止めずに前進する際に語るような掛け声であったと考えられます。

「ハットセ」の意味は「栄光を喜ぶ!」

次に騒ぎ唄で陽気に歌われている「ハットセ」という囃子詞にも注目してみましょう。宮城県民謡である塩釜甚句石投甚句に登場する「ハットセ」のルーツは、岩手県民謡の「南部アイヤ節」で唄われてきた「ハットサッセ」という囃子詞にあると言われています。それが時間を経て「ハットセ」に訛ったというのが定説です。

日和佐八幡神社秋祭り
日和佐八幡神社秋祭り
そこでまず、「ハット」の意味をヘブライ語で検証してみました。ヘブライ語には「栄光」を意味するהוד(hod、ホッ、ホッド) という言葉があり、日本人の耳には「ハット」とも聞こえます。この言葉は神の栄光を指すこともあります。その語尾に「喜ぶ」の意味を持つ「サッサ」というヘブライ語を加えると、「ホッドサッサ」、「ハットサッサ」というヘブライ語の掛け声になります。その意味は、「栄光あれ!喜べ!」、「(神の)栄光を喜ぼう!」に解釈できます。

「ハットセ」という囃子詞は、「ハットサッセ」というヘブライ語がいつしか「ハットサッセ」となり、それが時間をかけて「ハットセ」に訛ったと推測されます。そしていつしか日本語の囃子言葉として、多くの民謡でも唄われるようになったのではないでしょうか。

「ソレソレ」はヘブライ語で「頑張れ!」

「ソレソレ」という大変聞き慣れた囃子詞も、そのルーツをヘブライ語で解明することができるのです。ヘブライ語には「頑張れ!」という意味を持つשרה(sarah、サラ) という言葉があります。「サラ」という名前でも用いられるだけでなく、「取っ組み合う」、「乗り越える」という意味が含まれています。その「サラ」という言葉を強調して重ねると、「サラーサラー」となります。

その「頑張れ!」を意味する「サラーサラー」がいつしか日本語に訛って、「ソレソレ」と発音されるようになった可能性があります。だからこそ、「ソレソレ」と囃子詞が唄われるお祭りの背景には、何かしら一生懸命頑張る人々の姿があり、一生懸命に立ち向かう人々に対して声援を送る祭り人の姿があるのではないでしょうか。

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中島尚彦

中島 尚彦

南カリフォルニア大学、ペンシルベニア大学ウォートン校、フラー神学大学院卒。音楽系ネット通販会社サウンドハウスの創業者。古代史と日本古来の歌、日ユ同祖論の研究に取り組むとともに、全国の霊峰を登山し、古代遺跡や磐座の調査に本腰を入れている。

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