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2012/04/28

「牛頭天王」に見え隠れする日本人のルーツ

八坂神社 本殿
八坂神社 本殿
スサノオノミコトは牛頭(ゴズ)天王とも呼ばれ、祇園祭の総本山とも言える京都の八坂神社(祇園社)に祀られているだけでなく、八坂神社をはじめとする全国の鎮守社の御祭神としてあまりにも有名です。ところが記紀神話に伝えられるスサノオは、乱暴者であるがゆえに高天原から追放され、出雲に出向いてその腹いせかのようにヤマタノオロチを倒した若武者というイメージに映ります。それ故、単なる厄除けの神のような存在にも思え、日本国民が土地の神、約束の神として参拝したくなるような偉大な神とはお世辞にも考え難いのです。また葦原中国を統一したのが、スサノオの子孫である大国主神ということからしても、なぜスサノオだけが全国各地で建国の神として崇拝されるようになったのか、疑問に思えてきます。その謎を解く鍵が、「牛頭」です。

牛頭という言葉の語源には定説がありません。日本書紀によるそれらしき記述としては、天照大神に命じられてウケモチを見舞いに行くアマノクマヒトの神話があります。ところが既にウケモチは死んでおり、その頭は牛と馬に、そして体のいたる部分が食物に変わっていたのです。この話が農耕作や牧畜の起源として語り継がれ、その過程において頭と牛が結び付き、「牛頭」という言葉が使われるようになったという説があります。しかしそれでは、牛頭とスサノオの関連性を説明することができません。

八坂神社 祖霊社
八坂神社 祖霊社
そこでスサノオが祀られている八坂神社の社伝に注目してみました。社伝には7世紀、斉明天皇の時代に高麗からの遣いが日本を訪れ、その際、新羅国牛頭山にて祀られていたスサノオノミコトが伝来し、山城国の八坂郷(現在の京都八坂神社付近)で祭られたことが八坂神社の起源であると書かれています。また日本書紀にも高麗からの遣いの記述があり「スサノオが五十猛神と共に新羅国のソシモリに降りた」とあります。朝鮮語の「ソシモリ」は日本語では「牛頭」となるため、これらの記述からスサノオと牛頭の結び付きを考えることができるようです。いずれにしてもスサノオと牛頭の関連性を探るためには、どうやら日本海を隔てたアジア大陸に目を向けなければならないようです。また、牛頭はインドの祇園精舎でも守護神として祭られていました。国語語源辞典(山中襄太著)の解説によりますと、このインドの牛頭天王が日本に伝来した際、両部神道的な思想に則っていつしかスサノオに乗り移り、それが厄病よけの神へと進化し、その結果、元来スサノオを祀っていた祇園社においても牛頭天王が祀られるようになったということです。しかしインドの牛頭天王がなぜ日本のスサノオと習合しなければならないのか、説明が不自然なようです。

そこで遠い昔、アジア大陸の西方、カナンの地において、イスラエル人らの風習には居住していた牛の頭を祭り崇める風習があったことに注目し、そこに牛頭信仰のルーツがあるのではないかと考えてみました。そしてアジア大陸より移住してきたと言われるイスラエルからの渡来者により、牛頭天王崇拝を持ち込まれたのではないかと推定してみました。興味深いことに、ヘブライ語はGZLの子音を持ち、実際にはガザラ、もしくはゴゼルと発音される言葉が存在します。そして、この言葉の意味は「略奪」であり、このキーワードが、スサノオと「ゴズ(牛頭)」の関係を解明する手がかりとなります。

前述のとおり、イスラエル北王国が滅亡することを預言したイザヤは、家族や大勢のイスラエルの民と共に国を脱出し、その後、日本列島を目指したと考えられます。そして「マヘル・シャラル・ハシュ・バズ」と名付けられたイザヤの子が、救世主として誕生することが預言されたのです。この奇妙な名前は「急いで略奪し速やかに捕獲する者」を意味し、それは当時、北方で勢力を振るっていたアッシリアの大軍によってイスラエルが滅ぼされるという警告の象徴だったのです。一見乱暴なニュアンスを秘めた「略奪」という言葉ではありますが、これは単にイスラエル国家の崩壊だけでなく、失われた国家の復活を救世主が短期間で実現することを約束する意味も含められていたのです。それ故、救世主は「インマヌエル」とも呼ばれ、神が共におられるという象徴として、敵を速やかに滅ぼし、新天地に神の御国を造ることを目指したのです。

そのイスラエルの救世主とスサノオのイメージを比較すると、その類似点がいくつも浮かび上がってきます。まず「略奪」と命名されたイザヤの子と同様に、スサノオは「牛頭」として、「略奪」を意味するヘブライ語の「ゴズ」が名前として使われたことが挙げられます。ヘブライ語には略奪の意味を持つ言葉が複数あり、イザヤ書では「シャラル」や「バズ」だけでなく、「ゴゼル」という同義語が用いられています。そしてこの内、「バズ」と「ゴゼル」が共に転化して、いつしか「ゴズ」と発音されるようになり、後世にて牛頭という漢字が当てられたと考えられるのです。スサノオの別名である「ゴズ」が、実はヘブライ語の名前であり、それがイザヤの子の名と完全に一致しているということに、驚きを隠せません。そして「ゴズ」は「力をもって奪う」という意味を含み、国家再建のために不可欠な領土を取得することを象徴する言葉でもあることからしても、その天命が、イザナギの子であるスサノオ、すなわち、イザヤの子に託されたと考えられます。その結果、イザヤの子も、スサノオも共に、「略奪」という意味の名で呼ばれることで一致したのです。

これで、鎌倉時代後半以降に庶民の間で普及し始めた牛王宝印などのお守り札を家中に貼るようになったのも、イスラエルの民が門柱を赤く塗ったようにユダヤ教の影響を強く受けたためであると、素直に解釈できます。スサノオはイザヤ一族の偉大な預言者の一人として、救世主と同じ「牛頭」という肩書きを担い、日本建国の土台を築き上げるために戦い続けました。それが記紀神話に登場する諸々の神々を超越して、スサノオが日本建国の神として崇拝されることになった所以なのです。

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