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2022/09/18

建国の神、スサノオはイザヤの子か?! ヘブライ語から解明するスサノオと「ゴズ(牛頭)」の関係

「ゴズ」の由来とスサノオの関係

ゴジラと言えば、誰もが知っている映画に登場する巨大な怪獣の名前です。この名付け親は映画制作の担当者であり、ゴリラとクジラを合体させて「ゴジラ」という名前にするという奇抜なアイデアが、ふと生まれたそうです。興味深いことに、ヘブライ語でもゴジラと同じGZLの子音を持つ גזל(gazal、ガザル、ゴゼル)という言葉があります。ヘブライ語の意味は「略奪」「強奪」です。その発音は実際には「ガザ」、もしくは「ゴゼ」とも聞こえます。

この「ガザ」「ゴゼ」というヘブライ語の言葉は、祇園精舎の守護神として知られる牛頭天王の「ゴズ」という発音によく似ています。牛頭は蘇民将来の説話に登場する天道神ともいわれ、いつしか国生みの歴史に登場するスサノオと同一視されるようになりました。その結果、スサノオの名前は「ゴズ」とも呼ばれるようになったのです。「ゴズ」という名前は日本語に似つかず、不可思議な響きがあります。

もしかして、ヘブライ語で「略奪」を意味する「ゴゼ」が、スサノオの名前の語源になったとは考えられないでしょうか。もし、スサノオの「ゴズ」という名前がヘブライ語に由来しているならば、旧約聖書においても「略奪」を意味する名前を持つ人物が登場しても不思議ではありません。また、牛頭天王と同一視されてきたスサノオの背景にも、「略奪」を意味するヘブライ語の「ゴゼ」に結び付く何らかの出来事が存在するはずです。

イスラエルの歴史が記載されている旧約聖書のイザヤ書に目を留めると、そこには確かに「略奪」を意味する言葉が含まれる名前の人物が登場します。それが預言者イザヤの子どもの名前だったのです。イザヤの子が生まれた歴史的背景を紐解くことにより、スサノオが「ゴズ(牛頭)」と呼ばれるようになった由来が、イスラエルの歴史に結びついている可能性を理解する手掛かりとなるかもしれません。

イザヤと共に東の島々へ向かう民

古代イスラエル史を振り返ってみましょう。前8世紀、イスラエル北王国は滅亡する寸前であり、南ユダ王国も崩壊の危機に直面していました。当時、南ユダ王国ではヒゼキヤ王の元、預言者イザヤが国家に仕えていました。ある日、祈りのうちにイザヤにはビジョンが示されたのです。それは滅びゆく国家の有様とともに、東方の島々では神の民が残存し、そこで神が崇められるという新世界の姿でした。その思いをイザヤは綴り続け、後に預言書として編纂されました。

そのビジョンと神から与えられた言葉を確信したイザヤは、イスラエル国家が先祖代々大切にしてきた神宝とともに、王族や神の民を守るため、密かに国を脱出したと想定されます。命よりも大切な神宝が、外敵によって踏みにじられることなど、イザヤには考えられなかったことでしょう。そしてイザヤに導かれた先遣隊は船に乗り込み、アジア大陸の南岸沿いに海上を経由して東方へ航海を続け、東の島々を目指して旅したのです。

イスラエルの民の多くは、徒歩で大陸を横断し、東の方へと向かいました。長旅の途中、アジア大陸の各地にて留まり、現地に土着する者も大勢いたことでしょう。徒歩で大陸を横断することは危険極まりなく、壮絶な試練が待ち構えていたのです。それでも中には、イザヤが語り告げた神からの約束の言葉となる東方の光、海の島々の存在を信じ、アジア大陸を横断し続けて、さらには海を渡り、日本列島まで到達した民も少なくなかったのです。

略奪と破滅を意味する子とは?

イスラエルの民が祖国を脱出し、神が約束された新しい地に向かうにあたり、いくつかのサインがイスラエルに対して与えられることが旧約聖書に記されています。そのうちのひとつが、イザヤ書の8章に記載されている男の子の存在です。イザヤと女預言者の間に生まれた男の子が成長して言葉を語るようになる前に、北イスラエル王国が滅びることが、イザヤによって預言されたのです。その言葉のとおり、紀元前722年、北イスラエル王国が侵略され、首都サマリアは壊滅しました。その現実を目の当たりにしたイザヤと側近らは、神の言葉が確かに実現することを知らしめられたのです。それ故、南ユダ王国の破滅も時間の問題であることを悟りました。

イザヤに与えられた男の子の名は、「マヘル・シャラル・ハシュ・バズ」と呼ばれました。その奇妙な名前は、ヘブライ語で「急いで略奪し、速やかに捕獲する者」を意味します。それは当時、イスラエルの北方で勢力を振るっていたアッシリアの大軍によって、瞬く間に北イスラエル王国が滅ぼされるということを意味する象徴的な名前だったのです。さらには、南ユダ王国の破滅も間近に迫っているという最終警告でもありました。自国が外敵によって踏みにじられ、大切な宝物までもが略奪されることが強く印象づけられる名前を自らの子どもに命名することが示されたことに、イザヤは強い危機感を抱いたに違いありません。

男の子は救いを象徴する救世主!

一見、乱暴なニュアンスを秘めた「略奪」という意味を含む子どもの名前ではありますが、イザヤの子は単に北イスラエル王国の崩壊を象徴する名前を受け継いだだけではありませんでした。同時にイザヤの子は国民を救うために、救世主となることもイザヤは預言したのです。そして男の子には、「神が共におられる」という意味の「インマヌエル」という別の名前も与えられたのです(イザヤ7章14節)。

自らの子、インマヌエルが成長して活躍することに、イザヤは大きな期待を寄せたことでしょう。例え南北イスラエルが滅びようとも、神の導きと恵みにより、いつか必ず息子のインマヌエルが救世主となり、新天地に神の御国を造り、新しい国家が安泰する日が来ることが信じられたのです。イザヤ書の9章6節に記載された言葉には、その思いが込められているようです。

「ひとりのみどりごがわれわれのために生れた、ひとりの男の子がわれわれに与えられた。まつりごとはその肩にあり、その名は、「霊妙なる議士、大能の神、とこしえの父、平和の君」ととなえられる。」

イザヤの子はスサノオか?

このイスラエルの救世主、イザヤの子、「マヘル・シャラル・ハシュ・バズ」とも呼ばれる「インマヌエル」が、実はスサノオではないかと考えられるのです。双方のイメージを比較すると、その類似点がいくつも浮かび上がってきます。

まず、スサノオは伊耶那岐神(いざなぎのみこと)の子であり、イスラエルの救世主、インマヌエルはイザヤの子です。スサノオの父は「いざなぎ」であり、インマヌエルの父は「イザヤ」です。「いざなぎ」の発音が「イザヤ」に似ていることも注目に値します。「いざなぎ」の語源は、ヘブライ語で「イザヤ君主」を意味する「イザヤ・ナギッ」である可能性が高いと考えられます。「イザヤ・ナギッ」を口ずさめば、自然と「イザナギ」に聞こえるからです。もしそうだとするならば、伊耶那岐神が預言者イザヤであることになります。この点については、別章で解説します。

スサノオが大蛇から取り出した「草薙剣」
スサノオが大蛇から取り出した「草薙剣」
また、「急いで略奪する者」というイザヤの子の名前には、「略奪」という意味合いが含まれていることにも注視する必要があります。同様に、スサノオも「牛頭」「ゴズ」と呼ばれていることから、ヘブライ語で理解するならば「略奪」に関連していることがわかります。ヘブライ語には略奪の意味を持つ言葉が複数あります。イザヤの子の名前に用いられた「シャラル」や「バズ」だけでなく、その他、「ゴゼル」「ゴゼ」という同義語もあります。このうち「ゴゼ」が多少訛って「ゴズ」と発音されるようになった可能性があります。そして後世にて「牛頭」という漢字が当てられたと考えられるのです。

日本書紀や古事記に記されているスサノオのイメージは、まさに、イスラエルの救世主「マヘル・シャラル・ハシュ・バズ」ではないでしょうか。その名前に含まれる「略奪」という言葉が象徴するように、スサノオは力と権力の象徴でありながら、乱暴な人でもありました。そして侵略する敵に対しても屈することなく勝利し続けながら、相手から草薙剣のような聖剣を略奪してまで、国家を救うために戦われたのです。イザヤの子と、イザナギの子の類似点から目が離せません。

イザナギからスサノオへ

神から東の島々に救いの道が残されていることを示された預言者イザヤは、自分に与えられた男の子が神から約束された救世主となることを信じたことでしょう。その結果、祖国を脱出して日本列島を目指したことが、イザヤの預言書から推測されます。そして国家のリーダー格であり、霊的指導者であったイザヤは、ヘブライ語で、君主イザヤを意味する「イザヤ・ナギッ」、「イザナギ」と呼ばれるようになり、日本列島を見出した後も、国生みの神、偉大なる指導者として活躍したのです。

イザヤの子は「マヘル・シャラル・ハシュ・バズ」と呼ばれ、その名前に含まれた文字には、「略奪」というメッセージが込められていました。ヘブライ語では同じ意味をもつ「ゴゼ」「ゴズ」という言葉があることから、いつしか日本では、イザヤの子、すなわちスサノオが「ゴズ」と呼ばれるようになったとは考えられないでしょうか。そして「ゴズ」という名前に「牛頭」の漢字があてられたのです。略奪を意味する「ゴズ」は、「力をもって奪う」という意味において、イスラエルの民が国家再建のために不可欠な新天地を得ることを象徴する言葉ともなります。イザナギに与えられた天命が、その子孫であるスサノオに託されたと考えられます。

こうしてスサノオはイザヤ一族の血をひく偉大な指導者の一人として、イザヤの後を継いで日本列島に到来して国家の樹立に貢献した後、日本の島々を外的から救うために「牛頭」という肩書きを担って救世主の働きをなし、日本建国の土台を築き上げるために戦い続けました。それが記紀神話に登場する諸々の神々から一線を画して、スサノオが日本建国の神として崇拝されることになった所以と考えると、歴史の流れが紐解かれてきます。

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