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2022/02/16

古代史の鍵を握る「鶴」 「ツ」「ツル」の名称に込められた信仰の思い

「ツ」「ツル」は神を意味する言葉

古代史の鍵を握る言葉のひとつが、「つ」、と言われると、首をかしげる人が多いと思います。しかしながら、日常さりげなく使っている「つ」という発音には、重要な意味が含まれていたのです。「つ」という言葉の背景とその意味を理解することにより、古代の名称に対する考え方が一変します。

「つ」はヘブライ語でצור と書き、「ツ」または「ツル」と発音します。英語では tzur、tsur、と綴られる言葉です。「ツ」「ツル」はヘブライ語で直訳すると「岩」を意味します。この「岩」という言葉は「神」をも意味し、旧約聖書の中でも随所に記されています。そしてイスラエルの民は、古代から「神」を指す言葉として「ツ」「ツル」を使い続け、その理解は今日まで変わっていません。現代のイスラエル人にとっても、「ツ」「ツル」は「神」を意味しています。

縁起物のシンボルとなった「鶴」

国家のシンボルにまでなっている鶴
国家のシンボルにまでなっている鶴
「ツ」「ツル」は「神」を意味する言葉という前提で日本の歴史や地理を振り返ると、人名や地名、その他の名称がいかにして、古代の人々の信仰心に結び付いていたか、その背景が見えてきます。例えば、聖なる鳥のごとく大切にされてきた鶴を考えてみましょう。「鶴は千年、亀は万年」という格言で知られるとおり、鶴は長寿のシンボルとされています。また、「鶴の恩返し」や「鶴女房」としても知られる物語では、主人公の鶴は、決して姿を見られてはいけない美しい助け手として描かれています。そしていつしか「夫婦鶴(めおとづる)」という言葉も生まれ、鶴は良い仲の象徴となったのです。

日本航空のシンボルマークも鶴
日本航空のシンボルマークも鶴
また、鶴は鳥類の中でも長生きをすることで知られていることから長寿の象徴となり、「めでたいこと」のシンボルともなりました。その結果、室町時代には折り紙で千羽鶴を折る風習が始まりました。

こうして古くから日本では鶴が祝福の象徴として多くの人々に慕われるようになり、時には聖なる鳥として崇められてきたのです。よって、日本航空のシンボルマークも鶴が選ばれ、長年にわたり、尾翼に鶴が描かれてきました。

日本の国鳥は鶴でない??

長い歴史の中で育まれてきた鶴への「めでたい」「聖なる」思いだけに、日本の国を代表する国鳥は何かと聞かれたら、おそらく多くの人が「鶴」と答えるのではないでしょうか。ところが答えは違います。日本の国鳥は「キジ」なのです。

日本の国鳥 キジ
日本の国鳥 キジ
キジが国鳥として選ばれたのは20世紀の1947年です。日本鳥学会がキジを選んだ理由は明確でした。日本固有種の鳥、すなわち諸外国には存在しない鳥の中から選別したかったのです。また、キジの雌は母性愛に強いことで知られ、雄は小柄ながら勇敢であることから、日本の文化、家庭観に合致するとも考えられたようです。それ故、本来は鶴が選ばれても不思議ではなかったのですが、キジに軍配があがったのです。

鶴が神聖な鳥になった理由

厳密に言えば、鶴は国鳥ではありませんが、数多く存在する鳥の中で、日本の歴史に最も大きな影響を与えた鳥であることに違いありません。では何故、古代から人々は鶴を大切な鳥として扱ってきたのでしょうか。その理由は、イスラエルの歴史と日本との関係を振り返りつつ、そのイスラエルの言語であるヘブライ語の意味から解明することができます。

ヘブライ語では「神」を意味する言葉が色々あり、それらはすべて旧約聖書で用いられています。最も多く用いられている言葉がיהוה(yhwh、ヤーウェー) です。聖書では7000回以上も用いられ、発音できない聖なる言葉と明記されていることから、任意の母音をあてがって、「ヤーウェー」、「ヤハウェ」、「ヤ」、「アドナイ」「エホバ」、とも発音されます。、その他、神を称する言葉として、旧約聖書では、「エル」「エロヒーム」「エルシャダイ」などがあります。昨今ではהשם(hashem、ハシェム、ハシム) という言葉が「神」を指す名称として用いられることが多くなっています。

中でも注目はצור(tzur、ツ、ツル) という言葉です。元来、ヘブライ語で「岩」を意味する言葉ですが、イスラエルでは古代から「岩」は「神」という言葉の同義語として用いられてきました。それが「聖なる岩」という考え方の所以です。

旧約聖書では、この「ツ」「ツル」という「岩」を意味する言葉が74回も使われており、そのほとんどが、「神」ご自身を意味しています。「岩」という言葉が最も顕著に扱われているのが、申命記に記されているモーセの遺言として知られる歌の中です。その長い歌詞の中には「ツ」が7回使われ、そのうち5回がイスラエルの神を意味しています。残り2回は異邦人の神を指していますが、それでも神の意味で、「ツ」という文字が使われたのです。また、詩編では24回も「岩」という文字が同様に神の意味で用いられています。古代からイスラエル人にとって「岩」、すなわち「ツ」「ツル」は神を意味する言葉だったのです。

これらのことから「ツル」とう言葉が古代から日本で大切にされてきた理由が見えてきました。「ツル」は神を意味する言葉だったのです。だからこそ、その「ツル」という言葉が名称としてつけられた鳥は、いつしか神聖なる動物として考えられるようになったと推測されます。何故なら、鶴、「ツル」とは、神の名称を言い表していたからです。

史記に登場する「ツ」の「神」

「ツ」の発音をもつ字は、古代から様々な人名、地名などに用いられてきました。その最たる事例が、古事記や日本書紀などの史書です。記紀には、神代「国生み」の時代からの歴史が事細かに記載されています。そして多くの神々の名前や地名が明記されており、現存する地名も少なくありません。

例えば、地名の事例としては神代から「ツ」「津」という名称が多く使われています。何故でしょうか。その理由は、「ツ」がヘブライ語で神を意味する言葉であるからに他なりません。「ツ」「津」という言葉は「神」を意味するという前提で、記紀に記されている名前の幾つかを振り返ってみます。

まず、神代の神々は「天津神」(あまつかみ)と「国津神」(くにつかみ)の2つに分けられます。そして「津」を神と解釈するならば、「天津」とは「天の神」の意味となり、「国津」は「国家の神」となります。その言葉の後に「神」と加えることにより、「天津神」は天の神が誠なる神であることを強調しているように思われます。「国津神」にも同等のことが言えます。

また、神代の神々の中には、住吉大神の記載があります。住吉の地は遣唐使が中国に向かう際に乗船した港がある場所です。そこで「ツツノヲ三神」としても知られる住吉大神は、航海の守護神として朝廷により手厚く祀られてきました。その住吉大神の名は、底筒男命、中筒男命、表筒男命であり、この三神が「ツツノヲ三神」です。

ここで注目したい言葉は「筒」「ツツ」です。ヘブライ語で「ツ」は「神」です。すると「ツツ」は、「神々」の意味になります。よって、記紀で「筒」という名称がついている神とは、複数の「神々」のまとめ役となる有力者を指していると想定されるのです。

「対馬」は「神の島」を意味する

対馬の韓国展望所から鰐浦港を臨む
対馬の韓国展望所から鰐浦港を臨む
アジア大陸の朝鮮半島直前に浮かぶ島であり、日本列島の端に位置する古代の重要な拠点であった対馬(つしま)にも注目です。海幸彦、山幸彦の舞台となった可能性が高い九州の離島、対馬の島の名前にも「ツ」が用いられています。対馬は「タイシマ」と書いて、「ツシマ」と読みます。なぜでしょうか。その答えもヘブライ語にあると考えられます。

「ツ」はヘブライ語で「神」を意味することから、「対馬」「ツシマ」とは「神の島」を意味する言葉と考えられます。また、「シマ」はヘブライ語で「名前」を意味します。すると、「ツシマ」はヘブライ語で「神の名」という意味になります。よって、「対馬」とは「ツシマ」という発音に漢字をあてたにすぎないと推測されます。果たして、対馬は「神の島」「神の名」となるべく、命名されたのでしょうか。

対馬は遠い昔から大変信仰深い島であり、伝統ある地域信仰や、神掛かりに纏わる多くの言い伝えが残されています。そして島の至るところには神聖な場所があり、神々が祀られています。この対馬が古代、大陸から朝鮮半島を経由して日本列島に渡る海の玄関口となったのです。正に「神の島」「神の名前」にふさわしい九州最北端の島と言えます。

古代文化の礎を築いた渡来者

「ツ」がヘブライ語で「神」であることを理解するだけで、様々な名称のルーツにイスラエル人の関与と貢献が見えてきます。例えば、伊勢神宮の近郊には「津」という市があります。日本の地名には意味があり、古代においては、その地を見出し、開拓した人の名がつけられることが多かったようです。よって、その場所が「ツ」と命名されたことは、神に結びつく神聖な土地柄であったことを示唆しているように思えます。「津」とは、伊勢神宮に関与する「神の町」となるべく、古代イスラエル系の渡来人がその地域を「ツ」と命名したのではないでしょうか。

「ツ」「ツル」という言葉の語源がヘブライ語であるとするならば、それは古代、日本の地にイスラエルからの渡来者が訪れ、日本宗教文化の礎を築いた可能性が高いことを意味します。「ツル」という言葉を神聖と考える民こそ、イスラエル人と日本人なのです。そしてイスラエルからの渡来者が古代文化の礎を築いた結果、「鶴」「ツル」という鳥の名称が生まれました。その「ツル」「ツ」とは尊い「神」の名であり、この言葉こそ、古代史のパンドラを開ける鍵となる言葉なのです。

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