ヘブライ語で書かれている古代文献
古今和歌集や和漢朗詠集に記載されている「君が代」や日本古謡の「さくらさくら」など、一見日本語で書かれている詩の中には、ヘブライ語でも読むことができるものが少なくありません。他にも同様の事例が多数あります。日本書紀や古事記をはじめとして、神楽歌、古今和歌集など、多くの古代文献にはヘブライ語のルーツが秘められています。特に平安時代に書かれた作品の中には、日本語とヘブライ語が巧みにブレンドされ、どちらの言語でも意味が通じるというハイブリッドの文献として、完成度を極めているものが見受けられます。それでは神楽歌の事例を検証してみましょう。
「神楽」の起源は平安時代か?
「神楽」の起源はさだかではありませんが、少なくとも平安時代まで遡ります。そのルーツは謡曲・三輪に「先ずは岩戸の其の始め、隠れし神を出ださんとて、八百万の神遊び、是ぞ神楽の始めなる」と書かれているとおり、岩戸神話に登場する天宇津女命の歌舞にある、という説が一般的です。
また、神楽という言葉の由来は神座(かむくら)であるとも言われています。神座は神がおられる神聖な場所を意味するため、その「かむくら」に向けて喜び歌い、歌と踊りをもって神に仕えることが、神楽歌の原型になったと考えられます。そしていつしか「神座」は、「神楽」とも呼ばれるようになりました。
「神座」が「かむくら」と呼ばれるようになった理由は、ヘブライ語での意味を理解することで説明がつきます。
「かぐら」の意味とは!
まず、「かむくら」の「かむ」はヘブライ語で「立ち上がる」、「現れる」、「来られる」を意味するקום(kum、カム)と考えられます。そして「くら」はכולה(kulah、クラ)は「彼女のすべて」を意味します。すると、ふたつの言葉を合わせたקומ כולה(kum kulah、カムクラ)は、「全身出てきてください!」という祈りの言葉になります。これはまさに岩戸神話に登場する天照大御神が、岩屋戸から出てくることに関連した表記と考えられます。
また、「くら」を「彼女の声」を意味するקולה(kolah、コラ)と理解することも可能です。その場合、「神座」(かむくら)は、「彼女の声よ、来たれ」「御声を聞かせてください!」という祈りの意味にも理解することも可能でしょう。
定説では神座のルーツが岩戸神話にあるということですが、それが正しいことをヘブライ語による解釈で、決定づけることができます。また、「かむくら」の当て字としては、天照大御神が現れた聖なる岩戸の御座にちなんで、「神座」という漢字が当てられたと考えられています。漢字の選択も、「かむくら」の主旨を大事に捉えたうえで、厳選されたことがわかります。
「神座」が「神楽」になった理由
では、神座(かむくら)がいつしか神楽に代わり、読み方も「かぐら」となったのは何故でしょうか。それは、天照大神が神座から出られて世界に光明が射し、人類に救いが訪れるとともに、喜びに満ちた民衆が、その場で楽しみ踊ったからとは考えられないでしょうか。
その裏づけとして、「かぐら」がヘブライ語で、「救いの確立」を意味することに注目です。「かぐら」は、ヘブライ語で「立ち上がる」を意味するקומ(koom、カム)に、「自由になる」、「贖われる」を意味するגאל(gaal、ガアル)の名詞形、גאלה(gulah、グラ、ガラ)を合わせた言葉です。「グラ」は「救い」という意味でも使われることから、発音は合わせて「カ(ム)グラ」となり、意味は「救いよ、来たれ」すなわち「救いの訪れ」です。
「かぐら」とは、神の御座である岩戸から天照大御神が現れ、人類に救いが訪れ、民衆が歓喜に包まれながら歌舞を楽しんだことを書き記したヘブライ語の「かむぐら」が語源だったのです。そして民衆が神の救いを喜び楽しんだことを顧みて、神座に代わって今度は「楽」という漢字が充てられたのでしょう。
「かぐら」は神の救いがテーマ!
神座も神楽も、「神の救い」が一大テーマとなって繋がっている言葉であり、どちらもヘブライ語がそのルーツに存在していたことが分かります。天照大御神が姿を現して、人類に救いが訪れることが神座の背景であり、その救いは、神楽(かぐら)という言葉で表現されたのです。だからこそ、神楽の語源には神座があると語り継がれてきました。