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2021/10/07

「ソレソレ」はヘブライ語で「頑張れ!」

囃子詞の中には、「ソレソレ」という誰もが聞き慣れた掛け声があります。陽気な気分で打ち上げをする時や、みんなで力を合わせる時など、普段から使われている言葉だけに、その詞の意味は誰も考えることなく、いつしか使いこなすことに慣れてしまったようです。

「ソレソレ」の意味は日本語では不可解ですが、ヘブライ語では意味のある言葉として理解できます。「奮闘する」「格闘する」を意味するヘブライ語は「サラ」שרה(sarah、サラ) と言います。「取っ組み合う」「打ち勝つ」、そして「乗り越える」という意味合いも込められています。この「サラ」という言葉を繰り返すことにより「サラサラ」「サレサレ」となり、「打ち勝つ」の意味が強調されます。「ソレソレ」の発音は「サレサレ」とほぼ同じに聞こえることから、それが語源であると考えられます。

この「サラ」という言葉は、「イスラエル」という国家の名称においても、その語源の一部として用いられています。「イスラエル」という国家名は、信仰の父アブラハムの孫であるヤコブが神、天使と格闘し、取っ組み合いに打ち勝ったことから、神がヤコブに与えた名前が原点になっています。「あなたはもはや名をヤコブと言わず、イスラエルと言いなさい。あなたが神と人とに、力を争って勝ったからです。」(創世記32章)

神と格闘するヤコブ
神と格闘するヤコブ
「イスラエル」という名称が特定された理由は、ヘブライ語の文字列から想定することができます。「イスラエル」はヘブライ語で、ישראל(israel、イスラエル) と書きます。この文字列の中には、前述した「格闘する」を意味するשרה(sarah、サラ) のルート語、שר(sara、サラ) が含まれています。その語尾に「神」を指すאל(el、エル) を足すと「サラエル」となり、「神と格闘する」という意味になります。正に「イスラエル」「サラエル」とは、ヤコブが神と格闘したことを念頭に置いた名称だったのです。

その「格闘する」を意味する「サラ」という言葉を重ねて強調すると、「サラサラ」となります。また、「エル」を語尾に付けて「神と格闘する」の意味をもたせた場合は「サラエル」となり、早く発音すると「サレル」、「サレ」となります。それを繰り返し発音すると、「サレサレ」、「ソレソレ」となります。つまり、神と格闘することが「サレル」であり、それを強調すると「サレサレ」となり、それが「ソレソレ」と言われるようになったと考えられます。

「ソレソレ」という囃子詞の語源をヘブライ語の「サレサレ」「サラサラ」とするならば、その言葉には、「闘いを乗り越える」という強い気持ち、つまり「頑張れ!」という思いが込められていることになります。そして「サレサレ」はいつしか、日本語ではほぼ同等の発音であり、大声でも叫びやすい「ソレソレ」になり、だれもが一生懸命に頑張る時、「ソレソレ!」と掛け声を掛けるようになったと推測されます。

「ソレソレ」という囃子詞のルーツには、神と格闘して、しかも「打ち勝つ」という念願が込められていたのです。そこにはひたすら、努力し、頑張る人々の姿がありました。だからこそ、「ソレソレ」と囃子詞が唄われるお祭りには、何かしら一生懸命頑張る人々の姿があり、それらの人々に対して「頑張れ!」と声援を送る大勢の祭り人が存在するのではないでしょうか。

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中島尚彦

中島 尚彦

南カリフォルニア大学、ペンシルベニア大学ウォートン校、フラー神学大学院卒。音楽系ネット通販会社サウンドハウスの創業者。古代史と日本古来の歌、日ユ同祖論の研究に取り組むとともに、全国の霊峰を登山し、古代遺跡や磐座の調査に本腰を入れている。

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