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2025/01/11

関東民謡の囃子詞 ヘブライ語で解読する囃子詞の数々

東北民謡に由来する関東の囃子詞

東北地方は民謡の宝庫と言われています。単に民謡の数が多いだけでなく、その中で唄われる囃子詞も圧倒的に豊富であることに注目です。日本全国を見渡しても、これ程まで多くの囃子詞が含まれる民謡が、長年にわたり唄われ続けている地域は他にありません。東北地方から目を離し、他の地方の民謡を検証すると、民謡そのものの数が減るだけでなく、そこで唄われている囃子詞もフレーズが短く、東北地方の囃子詞と比較して単調になっていることがわかります。

例えば関東地方で知られている囃子詞の中には、草津節にみられる「ドッコイショ」や、八木節の「ホーイサネー」、秩父音頭の「ハーアーエ(コラショ)、ヨーイトナ」、木更津甚句の「ヤッサイ、モッサイ」、銚子大漁節の「ハァ、コリャ」、そしてお江戸日本橋の「アレワイサノサ」などがあります。これらの関東地方で唄われる囃子詞は、いずれも短いフレーズとなっています。

また、関東地方の民謡で唄われる囃子詞の多くは、東北地方の囃子詞に類似した言葉の響きがあることにも注目です。東北地方を中心に伝承されてきた民謡の歌詞や囃子詞の中には、ヘブライ語にルーツがあると思われるものが少なくないことから、関東地方の囃子詞も同様に、ヘブライ語の影響を受けたものが多いと推測されます。そこで、関東地方で唄われる3つの民謡の囃子詞をヘブライ語で読み、実際に意味が通じる言葉となるか検証してみることにします。

草津節の「ホーイサネー」

群馬県で唄われてきた草津節の「ドッコイショ」という囃子詞は、全国各地の民謡でも唄われています。「ドッコイショ」の「ドッコ」は、ヘブライ語で「押す」「退ける」ことを意味するדוחה(dokheh、ドケ)が語源と考えられます。続く「イショ」は、「救い」を意味する ישו(ishu, yeshu、イシュ、イェシュ)に由来する言葉です。2つの言葉を合わせると、「ドケイショ」となり、「ドッコイショ」とほぼ、同じ発音の言葉になります。その意味は、「神の助けにより頑張る(押す)!」となります。

また、「ホーイサネー」は、「ホー」、「イサ」、「ナ」という3つのヘブライ語を組み合わせてできた言葉と推測できます。「ホー」は感嘆詞のような「ああ!」というヘブライ語で、הו(ho、ホー)と書きます。また、神を誉める称えることを意味する「ホザナ」「ホシアナ」の略称として、「ホー」と歌っているかもしれません。「イサ」はイエスキリストの名前であり、יסה(isa、イサ) と書きます。西アジアの地域では、古くからキリストのことを「イサ」と呼んでいました。 続く「ネー」はヘブライ語のנא(na、ナ)が多少訛った言葉であり、「お願いします!」の意味です。神の助けなどを求める時に使われる言葉です。すると3つの言葉を合わせた「ホーイサナー」とは、「ああ、救い主よ、お願いします!」、もしくは「救い主を誉め称えます!」の意味になります。

「ハーアーエ、ヨーイトナ」という囃子詞もおそらく東北民謡に由来し、ヘブライ語で読むことができます。「ハーアーエ」の「ハー」は感嘆詞、もしくは「ここに」を意味するהא(ha、ハ)です。その後に神の名称であるיהוי(yhwh、ヤーエー)を付加して「ハーヤーエ」「ハーアーエ」と唄っています。続く「ヨーイトナ」の「ヨー」は、神を意味するיה(ya、ヤ)が訛った言葉です。「イトナー」は「与える」、「授ける」を意味するיתנה(itnah、イトナ)が原語です。つまり「ハーアーエ、ヨーイトナー」とは、「ああ神よ、与えたまえ!」という祈りの言葉となります。

木更津甚句の「ヤッサイ、モッサイ」

次に木更津甚句の「ヤッサイ、モッサイ」をヘブライ語で読んでみましょう。まず「ヤッサイ」は、ヘブライ語で「救い」を意味するישע(yesha、ヤシャ、イェシャ)がルーツにあります。この「ヤシャ」という言葉を語源とした言葉がמושיע(moshiya、モシャ、モシヤ)です。どちらも「救い」を意味し、また、メシアと呼ばれる救世主を意味する言葉の語源も、この「ヤシャ」です。例えば聖書では、救世主はמשיח(mashiyach、マシヤ)と呼ばれています。

それ故、この「救い」「救い主」を意味する「ヤシャ」「モシヤ」を繰り返し叫びながら、「神の救い、メシア!」を賛美している内に、いつしか「ヤッシャ、モッシヤ」が訛って「ヤシャイ、モッシャイ」、そして「ヤッサイ、モッサイ」となったのではないでしょうか。

お江戸日本橋の「アレワイサノサ」

お江戸日本橋の「アレワイサノサ」という囃子詞も、ヘブライ語でその意味を明確に理解することができます。まず、「アレワ」は אלוה(elwah、エルワ)と書き、「神」を指します。次のיסה יסא (isa、yesaイサ、イェサ)は救い主、イエスキリストのことです。そしてנשא(nasa、ナサ、ノサ)とは、「上げられる」「高く上がる」を意味します。

すると「イサノサ」יסה נושעとはイエスが高く上げられた、という意味になります。そして最初に神を指す「アレワ」を付けることにより、「アレワイサノサ」、つまり、「神がイエスを高く上げられた」「神が救い主をもたらした」という意味になります。אלוה יסה נשא「アレワイサノサ」とは、神がイエスキリストをこの世に送ってくださったことを唄っていたのです。一見不可解な囃子詞であっても、ヘブライ語で読むことにより、元来の意味が見えてきます。

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