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2021/06/11

神武天皇の御名に込められた建国への思い 「カムヤマトイワレビコ」の意味をヘブライ語で紐解く

初代天皇の御名に隠されたメッセージ

神武天皇は45歳の時、天下統一を目指して日向国から船で瀬戸内海を東方に向かい、その後、大和を平定したと言われています。当時、西アジアのイスラエルでは、既に北イスラエル王国は崩壊し、南ユダ王国も国家が滅びる直前でした。そして、北イスラエル王国が消滅してからおよそ60年後にあたる紀元前660年の旧正月、太陽暦では2月11日に、神武天皇が初代天皇として即位し、日本列島において新しい国家が息吹きました。その年は皇紀元年となり、明治時代以降では2月11日が紀元節、すなわち今日の建国記念日として祝われることになります。

天皇は日本の君主として多くの呼び名をもち、その中には帝号、追号などがあります。また、人々が直接口にすることが避けられた天皇の実名である御名 (ぎょめい) も存在し、それは「いみな」とも称されています。例えば神武天皇の御名は古事記によると、神倭伊波礼比古命 (カムヤマトイワレビコノミコト) です。しかしながら、この名前の意味は不透明であり、これまで解き明かされることなく今日まで至っています。実は、この御名に、天皇家のルーツを知ることのできるメッセージが含まれていたのです。

「カム・ヤマト」の意味は!

神武天皇をはじめ、代々の天皇は「スメラミコト」と記紀に記載されています。神武天皇の御名には「スメラミコト」だけでなく、その前に長い文字列が連なります。日本書紀と古事記では神武天皇の正式な御名の漢字が異なり、前者では、神日本磐余彦天皇、「カムヤマトイワレビコノスメラミコト」となります。大変長い名前ですが、「カム・ヤマト・イワレ・ビコノ・スメラミコト」と分けて考え、ヘブライ語で読むと、ひとつひとつの言葉に明確な意味があることがわかります。

まず、最初の「クム」に注目です。へブライ語には、「立つ」「起き上がる」「立ち上がれ!」を意味するקום(kum、カム、クム)、という言葉が存在します。「君が代」の「君」という文字の子音もkmであることから、同じ語源を共有していると考えられます。よって、天皇の御名は雄々しく、何かが立ち上がることから始まります。では、何が立ち上がるのでしょうか。次の「ヤマト」という言葉が重要なカギを握っています。

日本人なら誰でも馴染みの深い「ヤマト」という名称ですが、大言海にも「此語源ハ古来種々ノ説アレド、スベテイカガナリ」と書かれているとおり、日本語ではほとんど意味を見出すことができません。またヤマトに対して「大和」、「日本」、「倭」など複数の漢字表記があること自体、ヤマトという発音を持つ言葉が先行して使われ、後日漢字が宛てられたと考えられます。

実はこの「ヤマト」という言葉は、ヘブライ語と同一のルーツを持ち、旧約聖書の一部でも使われているアラム語で解釈できます。まず、「ヤマト」の「ヤ」は、神の称号として今日まで数千年に渡り世界各地で使われている「ヤーウェーの神」の頭文字、「ヤ」を指していると想定して間違いないでしょう。神を指す「ヤ」という言葉は、日本古来の民謡や囃子言葉にも多用されています。

では、「神」を意味する「ヤ」の後に、語尾となる「マト」が付くと、どのような意味になるのでしょうか。「マト」の原語は、ヘブライ語と同系のアラム語、「ゥマット」に相当します。「umato」 (ゥマット) の意味はアラム語で、「人民」、「人々」です。すると神の「ヤ」と、「人々」を意味する「マト」を合わせた言葉の意味が浮かびあがってきます。「ヤマト」とは、「神の民」を意味していたのです。

すると「カム・ヤマト」とは、「神の民よ、立ち上がれ!」を意味する言葉になります。つまり、神の選民であるイスラエル系の渡来者が日本列島を訪れ、神の国を作るために共に立ち上がることを象徴する言葉であったと理解できます。それはユダヤ人によって立ち上げられた国家を意味し、その日の出ずる地が、日本であったということの証でもあります。

「イワレビコノ」をヘブライ語で解明!

では、神の民、「ヤマト」とはどのような人々だったのでしょうか?その問いに対して明確な答えを、「カムヤマト」の後に続く「イワレビコノ」という御名が教えてくれます。

ヘブライ系ユダヤ人のことをヘブライ語ではיהודי(yehudi、イフディ) と言います。その言葉のルーツには、発音のできない「神」を意味する言葉、יהוה(yhwh) が存在します。また、ヘブライ語と同系のセム語派であるアラム語では「イフディ」、ユダヤ人のことを、iwaraa (イワラ) と呼ぶこともあります。この神の民であるユダヤ民族を指す「イフディ」、「イワラ」という言葉が「イワレ」の語源であると考えられます。

ユダヤ民族とはイスラエル人全般を指すこともありますが、ごく一般的にはイスラエル南ユダ王国の2部族を象徴する言葉として用いられています。それはイスラエル王系であるユダ族を中心とし、そこにベニヤミン族が加わった部族の集まりを指します。その南ユダ王国の民を「イワレ」と呼んだのです。すると、「ヤマト」と「イワレ」、2つの言葉を合わせて、「神の民であるユダヤ人」の意味になることがわかります。

「カム・ヤマト・イワレ」は、「立ち上がれ!神の民、ユダヤ人よ、」を意味していたのです。つまり、神の選民であるイスラエル系南ユダ王国の民が結集し、国家を創生するために立ち上がることを象徴する言葉であったと理解できます。

またヘブライ語のבכור(bekhor、ビコ) には、「最初に生まれた子供」、つまり初子、長子という意味があります。よって、「イワレ」に「ビコ」を組み合わせて「イワレビコ」とすれば、「ユダヤ人の初子」、「ユダヤの長子」となります。漢字には「彦」 (ひこ) という文字がありますが、これもそのルーツに、「長子」、「初めての子」を意味するヘブライ語の「ビコ」が存在している可能性があります。

すると、「カム・ヤマト・イワレ・ビコ」の意味が明確になり、「立ち上がれ!ユダヤの初子である神の民よ!」と理解することができます。それは、神の民が結集し、ユダヤの初子となる新しい国家を立ち上げよ!という、号令の言葉だったのです。

「スメラミコト」とは「天降る神の名」

次に、「カム・ヤマト・イワレ・ビコ」に続く「スメラミコト」の意味を考えてみましょう。「スメラ」はヘブライ語でשם(sam、サム) または (shem、シェム) に、神を意味するאל(el、エル) を語尾に付けた言葉です。שםを「サム」と発音するならば、 「置く」、「任命する」という意味になります。また、「シェム」と発音する場合は、「名前」と理解することができます。

שםを「サム」と発音した場合、「サム」と「エル」を合わせると、שמ אל(samel、サメル)という発音の言葉になり、「神を任命する」、「神を座する」という意味になります。また、「シェム」と発音した場合は「エル」と合わせて「シェメル」となり、「神の名」を意味します。どちらも多少訛るだけで、「スメラ」とほぼ同等の発音になります。よって「スメラ」の意味は、「神を任命」「神を座する」こと、もしくは「神の名」のいずれかです。どちらをとっても神武天皇の御名にふさわしい意味であることから、前後の言葉の意味の流れから意味合いを決めることになります。

「スメラ」に続く「ミコト」の意味が極めて重要です。ここでも2つの解釈があります。まず、מגד(meged、メゲッド) というヘブライ語に注目です。この言葉の発音は「ミコト」に類似し、「大切なもの」「良いこと」、「祝福」または「幸運」を意味します。また、ヘブライ語の兄弟語である古代セム語にも、「ミコト」に類似した発音をもつ「migad」(ミガッド)という言葉があります。この言葉は「神のような存在」「天降る者」という意味で使われていました。

そこで「ミコト」の語源をヘブライ語の「メゲッド」とし、そこに「スメラ」を付けて「スメラメゲッド」が「スメラミコト」に訛ったと解釈すると、「祝福の神を置く」、「大切な神を座する」、もしくは「祝福された神の名」となります。また、「ミコト」を古代セム語の「ミガッド」と想定するならば、「天降る神を任命」、もしくは「天降る神の名」という意味の言葉になります。後者の「天降る神の名」が、御名全体の意味合いからすると一番わかりやすい解釈になります。いずれにしても、「スメラミコト」とは、天皇が神から定められた「大切な統治者」であったことを、その御名によって証していたのです。

カムヤマト・イワレビコノ・ミコトの意味

神武天皇の御名は、古代西アジアの言語を用いてその意味を理解することができます。神倭伊波礼比古命(カム・ヤマト・イワレ・ビコノ・ミコト)という名称の真相は、「立ち上がれ!ユダヤの初子である神の民、天降る神の御名!」の意味だったのです。神武天皇は神から委ねられた権威を持つ国家の王、初代天皇でした。そして神の民であるユダヤ人を中心とした建国のリーダーの象徴となるべく、「天降る神」に纏わる名前を授かったと推測できます。

「カムヤマトイワレビコノミコト」は、イスラエルの王系一族であるユダ族が、新天地である日本においても王系を継承し、天皇として君臨することを宣言した大胆な御名であったと考えられます。この御名には、国家を失ったイスラエルの民が、イザヤの預言に従って西アジアより日本列島に移住を開始し、最終的に神武天皇のリーダーシップをもって大和の地に結集し、日本の歴史の礎を築いたという強い思いが込められているように思えてなりません。

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コメント
  1. レイ・オカモト より:

    名前に号令を含むのは、あまり武士道っぽく感じません。「我発起・神の民・ユダの長・神を座する・王子」と名乗ると、何か、あり得る感が増すように感じます。多分、ユダの王ではなく、10支族と共に祖国を離れた数は少なかったであろうユダ族の、暫定長、若旦那のような存在ではなかったでしょうか、ユダ王国はまだこの時存在していたので。それでも各地、様々な形で新天地での生活を定着させていたイスラエルの子孫達には、この戦の便りに強い関心を抱かせたに違いないと思います。
    無礼恐れ入ります。私、ミシガンですが、中島創業社長の経歴、歴史観に強い共感を湯気立たせられます。
    カムヤマトイワレビコノスメラミコトって何やねんと、大きなハテナマーク抱えてましたが、大変勉強になりました、ありがとうございました!

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