日常の日本語に垣間見るヘブライ語
日常的に普通の日本語として誰もが用いている表現の中には、その由来や意味がわからない掛け声や歌詞などがたくさんあります。例えば、力を入れて何かをしようとする際に発する掛け声として頻繁に使われる「ヨイショ」「ドッコイショ」「コリャ~」、そして童謡や民謡で歌われる「エサ・ホイ・サッサ」「ヤーレン・ソーラン」など、誰もが一度は聞いたことがありながら、その意味についてはほとんど知られていないものも少なくありません。
民謡の囃子詞やさまざまな掛け声などは、その意味がわからなくても、幼い頃から耳にしてきたことに加え、何となく親しみやすい言葉が多いことから、これまで誰もが気にすることなく使ってきました。しかし1990年、川守田英二氏が「日本の中のユダヤ」という著書において、全国の民謡で唄われている囃子詞のリサーチ結果を書き記したように、囃子詞の多くはヘブライ語によってその意味を理解できるとする説が提示されています。その内容については再検証する必要があるものの、日本語のルーツを考えるうえで、重要な一つの視点を提示したエポックメーキングな内容と言えるでしょう。
日本人に馴染み深い多くの囃子詞や掛け声、民謡で唄われる歌詞の中には、確かにヘブライ語によって意味を解明できるのではないかと考えられるものもあります。それらの意味を探ることにより、元来の主旨だけでなく、日本の文化、ひいては日本人のルーツについても再考察しながら、歴史の流れをわかりやすく理解することができるようになります。先人が用いた言葉の意味に思いを寄せることにより、古くから言葉の力によって社会の活性化を促し、人々の喜びや強い信念が、日本の歴史と文化を築く一助となってきたことに気付くことができるのではないでしょうか。
大衆を盛り上げる囃子詞の重要性
先祖代々、日本各地で伝承されてきた民謡の多くには、囃子詞が含まれています。これらは一般的に、舞を助ける唄の掛け声として用いられており、調子を整え、唄をひきたて、雰囲気を醸し出すために使われています。それゆえ、語呂が軽快で、人々の心を捉えるような「ノリ」があり、インパクトのある言葉であることが重要です。
アメリカのブラックゴスペルでも、歌の合間にさまざまな掛け声がリズミカルに入り、ステージ側の聖歌隊と観衆が一体となって、その場を盛り上げる楽曲が数多く見られます。同様に、囃子詞も唄のリズムに合わせて観衆が一体となり、全体の雰囲気を高揚させる原動力となっているのです。

阿波踊り古代から全国各地で神を祀り、祭司活動を活発に行ってきた日本において、祭りの文化は極めて重要なものでした。なぜなら、祭りは神を讃える祭祀活動の極みであり、人々が集い、一体となって神を讃え、祝う特別な機会であったからです。その祭りで唄われる民謡の中に、神を讃える囃子詞が多く存在しても不思議ではありません。ごく自然に、人々が心を一つにして自らの唇で神を祝い、神を讃えた言葉や掛け声こそが、囃子詞のルーツなのです。
忘れられた囃子詞の意味
囃子詞は祭りの場を盛り上げ、民衆の気持ちを高揚させながら一緒になって神を祀る働きを持つ言葉なのですから、もともと意味のない言葉だけを叫んでいたとは考えにくいでしょう。あくまで唄の歌詞、その内容と趣旨に沿って、辻褄が合う言葉が用いられていたはずです。
ところが、囃子詞の多くは、長い年月の間にいつしか本来の意味が忘れ去られ、単に言葉の発音だけが今日まで伝承されてきました。それにしても、「エンヤラヤー」や「ドッコイショ」など、意味のわからない多くの言葉を、何の疑問も持たず歌い続けてきたことを、改めて考えてみると、興味深いことではないでしょうか。それほどまでに、多くの囃子詞や掛け声は、庶民の生活の中に深く溶け込んでいるのです。
ヘブライ語で解明できる囃子詞の意味
これら数多くの不可解な囃子詞や掛け声は、ヘブライ語によってその意味を理解することができるのではないかと考えられます。なぜなら、日本古代史にイスラエル人が関わった可能性を指摘する説があり、古代、国家を失ったイスラエルの民が大勢、大陸からはるばる日本の地に到来し、古代の日本文化の形成に大きく貢献したとする見方もあるからです。そのような歴史的背景を踏まえると、日本語でありながらも意味のわからない囃子詞や掛け声の多くについても、ヘブライ語を用いて意味を探ることで、古代史における日本とユダヤの関係を、より鮮明に理解するてがかりが得られるのではないでしょうか。
無論、囃子詞の中には、日本語そのものから転化したものや、他の言語を原語とするものも多々存在します。したがって、その文脈や伝承の背景をきちんと吟味し、ヘブライ語に由来する詞を特定することが重要です。川守田氏が“どんなヘブライ語臭い囃子詞でも、うっかり無邪気に飛びつけないという警戒心をもった”と「日本の中のユダヤ」に記載しているように、ヘブライ語ルーツかどうかを見極めるためには、慎重な検証が求められます。
囃子詞(ハヤシコトバ)の語源
さまざまな囃子詞や個別の掛け声を検証する前に、まず「はやし詞」、「はやしことば」という言葉そのものの語源を探ってみました。言葉が「コトバ」と発音される理由については諸説ありますが、ヘブライ語に由来するという説もあります。
ヘブライ語で書き物をכתיבה(katiba、カティバ)、書くことをכתוב(katuv、カトゥブ)、また文字列、スペルはכתיב(kativ、カティブ)と言い、これらはどれもכתב(KTB)という三つの子音から構成されています。さらに、同じ子音ルーツを持つ言葉の中には、ニュースやお知らせ、ストーリーなどの意味を持つכתבה(katavah、カタバ)という言葉もあります。
次に、「まっすぐ」を意味するישר(yasha、ヤシャ)をルート語とするהישר(hayasya、ハヤシャ)というヘブライ語の存在にも注目してみました。この言葉には、「ストレートに」「ダイレクトに」という意味があります。
これら二つの言葉、「ハヤシャ」と「カタバ」を組み合わせると、「ハヤシ・コトバ」に似た発音の言葉となります。その意味は、「ダイレクトにニュースを告げる」「率直なお知らせ」となり、ストレートに語り告げる、宣伝のような意味を持つ言葉になります。これが囃子詞の語源ではないかと考えられます。つまり囃子詞とは、民衆の歓声や喜びの声をストレートに神様に対して語りかけ、叫び伝えるという意味に解釈できます。
ヘブライ語で再認識される囃子詞

徳島県 日和佐八幡神社秋祭り今日、全国各地で開催されている祭りで唄われる民謡の中では、さまざまな囃子詞が声高らかに叫ばれています。これらの囃子詞は、唄の合間に相手を励まし、その場を盛り上げ、人々の心を高揚させるための有効な手段として用いられています。それこそが、古来から受け継がれてきた役割なのです。古代より人々は、唄の合間に囃子詞を差し込み、掛け声によってその場を活気づけながら、互いに励ましあいつつ、神様を祀ったのです。
誰もが一度は聞いたことのある掛け声や囃子詞の中には、「ドッコイショ」「ヨイショ」「ヤーレンソーラン」「ヨサコイ」「エンヤラサ」「サッサ」「ハッケヨイ」「ヤートセ」などがあるでしょう。それらの中には、ヘブライ語をルーツとするのではないかと考えられる言葉もあり、古くから祭りの際に神に向かって叫び、祈り求める言葉であった可能性も考えられます。
そのような信仰の思いをストレートに神様に告げるのが囃子詞の発端のようです。だからこそ、囃子詞はヘブライ語でהישר כתבה(ハヤシャカタバ)と綴られ、神様に真っ直ぐに告げるという思いが、その言葉に込められていたと考えられます。したがって、たとえ日本語では意味の通じない囃子詞であっても、その中にはヘブライ語によって解釈することで、古代の創作者が意図した言葉の意味を読み解く手がかりが得られるものもあるのではないでしょうか。
