伊勢神宮とエルサレム神殿の構造は似ている?
伊勢神宮の伝統やしきたり、宗教文化においては、イスラエルの文化と多くの共通点があることが指摘されています。例えば、日本の神社の構造は、イスラエルの幕屋やエルサレム神殿のデザインと類似している点が少なくありません。ソロモン王がエルサレム神殿を建造する以前、イスラエルの民は荒野を旅しながら、モーセをを通じて語られた神の教えに従って、どこにいても神を礼拝できるよう、移動式の礼拝所を設置していました。その簡易的な神殿は「幕屋」と呼ばれています。それは長方形の区画を垂幕で囲み、その中に小さな木造の至聖所(しせいじょ)を設けた構造となっていました。
伊勢神宮の内宮にある御正殿に至る石段を上り、板垣南御門の前に立つと、幕屋の垂幕のような御幕(おんまく)と呼ばれる生絹でできた布がかけられているのが目に入ります。そこで参拝者はこの御幕の前で拝礼することから、その内側は聖なる場所であることがわかります。また、皇大神宮は整然とした長方形の板垣に囲まれています。イスラエルの幕屋で用いられているような天幕とは材質は異なるものの、その簡素な造りと長方形の枠という形状、そして敷地内の配置にも数多くの類似点が認められます。
さらに伊勢神宮は、イスラエルが幕屋の時代の後に建造されたエルサレム神殿とも、類似点が見られます。伊勢神宮では御垣内(みかきうち)に入ると、そこには中重鳥居と呼ばれる2本の柱があります。この鳥居では、その柱にしめ縄が張られることがあります。一方、旧約聖書の列王記上7章には、ソロモン王がエルサレム神殿の廊の前に2本の柱を立てたという記述があります。これらの柱は青銅で作られ、その頂には丸い柱頭が置かれ、そこに鎖で編んだ市松模様の飾り紐を巻きつけることになっていたのです。また、多くの神社に見られる一対の狛犬と呼ばれる獅子像と同様に、エルサレム神殿においては玉座の両側に獅子が配置されていたという記述が残されています(列王記上10章19節)。
類似点の多いイスラエルの宗教的儀式
宗教的儀式においても、両者には多くの類似点が見られます。神社においては手水舎(てみずや)が設けられ、参拝者は手を洗い、口をすすいで身を清めます。その洗い場を通り過ぎると、檜で造られた拝殿と本殿と呼ばれる2つの間から成る聖所があります。その本殿の東側は格子であり、西側の部屋には霊が祀られています。イスラエルの神殿においても、幕屋に入る前に祭壇のそばにある洗盤の水で、まず手足を洗うことが義務付けられていたのです。さらにその奥には、神社と同様に檜で造られた聖所と、至聖所の2つの区画が設けられていました。
神社では、拝殿より先には一般の参拝者は入ることができません。同様にイスラエルの聖所も祭司しか出入りすることができませんでした。奥の至聖所には、大祭司が年に一度だけしか入ることが許されておらず、至聖所は常に西側に配置されていたのです。また、伊勢神宮をはじめとする神社には、礼拝の対象となる神像が置かれていません。これは偶像礼拝を禁じているイスラエルの信仰と同様です。同じく幕屋やエルサレム神殿にも、拝む対象となる神々の像はありませんでした。さらに、神官が着る真っ白でフサのついた着物と、古代ユダヤ教における祭司の服装も実によく似ています。
伊勢神宮とイスラエルの幕屋やエルサレム神殿には、聖所や至聖所の構造をはじめ、多くの共通点があります。これらの類似性を単なる偶然と考えるのではなく、両者の間に何らかの文化的・歴史的なつながりが存在する可能性を示す証と考えられます。




神社の基本構造
幕屋の基本構造
神社の平面図
幕屋の平面図