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2021/10/01

「エンヤー」の語源と意味

「エンヤ」のルーツは掛け声の「エイ!」

祭りで唄われる囃子詞の中には、「ドッコイショ」、「ヨイショ」、「エンヤラヤ」など、多くの人が一度は口ずさんだことがあるような言葉少なくありません。中でも「エンヤー」という言葉の響きは、誰でも耳にしたことがあるのではないでしょうか。ごく一般的に「エンヤ」は力を入れる時の掛け声と考えられています。

では、なぜ「えんや」と言うようになったのでしょうか。その語源は、ごく一般的に使われている、「エイ!」という掛け声にあると言われています。力む際に「エイ!」と声を出すことは、誰しも経験のあることでしょう。いざ、出陣という時も、古い時代からごく自然に皆が声を合わせて、「エイ、エイ、オー!」と喚起の掛け声をあげていたのです。

「エイ」の語源は「鋭」か「曵」?

学研全訳古語辞典によると、「えい」は古くから感動詞として使われている言葉です。その意味のひとつに「力を込めるときに発する語」が含まれています。よって「えい」という言葉は、「ヨイショ」の同義語と理解されています。

一説によると「エイ」の語源は、前進して激励する意味をもつ「鋭」に象徴されているとも考えられています。この漢字には、単に鋭くとがっているだけでなく、勢いがあり、強いことの意味合いも含まれています。よっていつしか、「鋭」「えい!」という掛け声が、力をいれる際に叫ばれる言葉になったとされる見解です。

また、「エイ」は漢字の「曳」ではないか、という説もあります。13世紀の鎌倉時代に編纂された「名語記」と呼ばれた辞書には、「大物をひく人勢が、えいえいといふ、如何。えいは曳也。ひくといへる字の音をとなへてひく也」と記載されています。「曵」は、「引く」「引き寄せる」という意味で用いられる漢字です。よって、「えいえいお」という掛け声の「えいえい」は、力を入れる時に発することばであり、「えい」もその名残から同様の意味をもつようになったと解釈する一説です。

その「エイ」という力を込める言葉が多少訛って、「えいや!」「えんやらや!」となり、それらの掛け声から「えんや」という囃子詞も使われるようになったと想定することができます。

「エンヤ」の意味は「神の泉」?

もうひとつ、別次元の解釈があります。「エンヤー」という甲高い声で親しまれている囃子詞は、ヘブライ語でその言葉の意味を理解することができます。עין(en、エン) はヘブライ語で「泉」、もしくは「目」を意味します。そしてיה(ya、ヤ) は、神の呼び名です。すると、「エンヤー」という言葉が「神の泉」「神の目」を意味することになります。

昭和の頃の盆踊りの様子 (提供 三笠市)
昭和の頃の盆踊りの様子 (提供 三笠市)
古くは海や川、湖畔で唄われる民謡において、人々の生活を守り、温かい眼差しをもって見守ってくださる神の恵みを思いつつ唄った囃子詞が「エンヤー」だった可能性があります。その背景には、海や川にて漁をする人々の姿があり、「神の泉」である豊かな水源を大切にした人々の思いが込められていたのではないでしょうか。

「私の神」を讃える「エンヤ」

ヘブライ語で「エンヤ」を解釈すると、もう一つの考え方があることに気が付きます。「私」のことをヘブライ語では、אני(ani、アニ) といいます。その後の「ヤ」は、「神」を意味します。2つの言葉を合わせると「アニヤ」、「私と神」、אני יה(aniyah、アニヤ) となり、その発音は「エンヤ」とほぼ同等です。「アニヤ」の意味は、そのまま訳すると「私は神様」になりがちです。よって、2つの言葉を分けて捉え、「私」と「神」、つまり「私の神」として理解するのです。

日和佐秋祭り 神輿
日和佐秋祭り 神輿
元来、日本の祭りでは神を讃え、その大いなる恵みを祝うことが主目的でした。祭りでは大勢の民が集い、神に祈りつつ共に踊り、唄いました。その祭りの場において、自分と神とのつながりを喜び踊り、「エンヤー」と声高らかに声をあげたとするならば、「アニヤ」「エンヤ」という掛け声が、「私と神」、すなわち「私の神」という意味で叫ばれていた可能性が見えてきます。

いずれにしても、「エンヤ」という言葉には「力を込める」という意味が含まれているに違いなく、その背景には、神を讃えながら、力を込めて歌い踊る民の姿があったのです。

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中島尚彦

中島 尚彦

南カリフォルニア大学、ペンシルベニア大学ウォートン校、フラー神学大学院卒。音楽系ネット通販会社サウンドハウスの創業者。古代史と日本古来の歌、日ユ同祖論の研究に取り組むとともに、全国の霊峰を登山し、古代遺跡や磐座の調査に本腰を入れている。

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