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2021/10/31

「出船音頭」で唄われる囃子詞   「エッサ・ホーイサ」の意味とは

出船音頭の囃子詞

函館港を題材として作曲され、民謡大会でも開幕の唄として頻繁に用いられている「出船音頭」では、「エッサ、エッサ」、「ホーイサ」という誰もが聞き慣れた囃子詞が唄われます。著名な童謡、「お猿のかごや」でも「エッサホーイサッサ」と唄われ、その言葉の響きは「出船音頭」と同様です。しかしながら、その詞の意味は日本語では理解できません。

なぜ、同じ言葉が多くの民謡や童謡において、古来より唄われてきたのでしょうか。しかも、日本語では意味が不明なのです。これらの囃子詞は一見、日本語では理解できなくても、ヘブライ語で読むと、その本来の意味が浮かびあがってきます。

「エッサエッサ」とは「神の救い!」の意味

多くの囃子詞は、ヘブライ語でその詞の意味を理解することができます。「エッサ」も例外ではありません。へブライ語にはישע(yesha、イェシャ) という「救い」を意味する言葉があります。この言葉をルーツとして、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教においてはヨシュア、イエス、イサ等の名前が派生しました。そして「イェシャ」というルート語は「神の救い」や「救世主」をも意味することから、イエスキリストの名前の語源ともなり、いつの日も大切に考えられてきたのです。また、「イサ」という名称は、今日でもイスラム圏を中心として、イエスキリストの呼び名として用いられていることは注目に値します。

「イシャ」「イサ」「イェサ」が多少訛って「エサ」「エッサ」となり、「救い」を意味する言葉として囃子詞に用いられるようになったという前提で考えてみましょう。すると、「エッサ」という言葉が囃子詞として多用され、多くの民謡で繰り返し唄われるようになった理由が浮かびあがってくるようです。「神の救い」を意味する「イサ」「イッサ」が多少訛って「エッサ」になったと仮定するならば、大勢の民が「神の救い!」「偉大なる神!」という思いで、「エッサ」「イッサ」と唄った姿を想像するに難くありません。よって、「エッサ」を繰り返し唄うことは、「神の救い!」をひたすら強調することに結びつきます。「エッサエッサ」とは、神にスポットをあて、神の救いにひたすら感謝を捧げる詞だったのではないでしょうか。

「ホーイサ」の意味とは?

続く「ホーイサ」という詞にどう結びつくのでしょうか。おそらく「ホー」という詞は、「お!」「あ!」というヘブライ語の感嘆詞、הו(ho、ホー) と推測されます。そして「イサ」は前述のとおり「救い主」を意味することから、「ホーイサ」とは、「あー、神の救い!」「あー、イエスキリスト!」を意味する可能性が考えられます。大事なポイントは、「イサ」という名称がイエスキリストの時代から今日まで、アジア圏の各地において「イエスキリスト」を意味する詞として使われてきたことです。

また、「ホー」という詞は、「神を誉め讃える」ことを意味する「ホーシアナ」「ホーシャナ」「ホーザナ」を語源とし、その「ホー」という接頭語が略称として用いられたとも推測されます。すると「ホー」という叫びは単に「あ!」という驚きの詞ではなく、その詞の背景には「ホーシャナ」、すなわち神を誉め讃えるという強い思いが込められていたとも考えられるのです。すると「ホーイサ」は、「イエスキリストをほめたたえよ」という意味に捉えることができます。

いずれにしても、「ホーイサ」とは信仰の思いを表現した詞だったのでしょう。「ホーイサ」とは 「あー!イエスキリスト!」という喜びの思い、そして「キリストを誉めよ」という人々の信仰心を言い表していたと考えられます。

囃子詞の代表格「えっさほいさっさ」の意味

「エッサ」「ホーイサ」と唄う出船音頭の囃子詞に酷似する掛け声が、童謡「お猿のかごや」で唄われる「エッサホイ」です。そしてその後に、各地の民謡で頻繁に唄われる「サッサ」という囃子詞が続きます。そしていつしか、「エッサホイサッサ」という掛け声は、誰もが知る有名な童謡の決まり文句となったのです。

「サッサ」の語源はヘブライ語で「喜ぶ」「喜べ!」を意味するשש(sas、ササ) もしくはשוש(sus、スッス) と考えられます。それ故、古くから人々がお祭りに集い、踊り唄いながら神を讃える場においては、「ササ」「サッサ」という言葉が叫ばれたのではないでしょうか。こうしていつしか日本民謡では、「サッサ」という囃子詞が全国各地で頻繁に用いられるようになりました。

よって、「エッサ」とは「救い主」、「ホーイサ」は「イエスを誉め讃えよ」、そして「エッサホイ・サッサ」とは「救い主を誉めよ、喜べ!」という信仰告白の詞として理解することができるのです。いずれもヘブライ語で理解できることに驚きを隠せません。

出船音頭 北海道民謡

ハアーエーエンヤ エッサ エッサ
出船の朝だよ(アラエンヤコラ)
主の音頭で 船足揃えよ
若いおいらは(ホーイサ ホイサト)
波のり越えて そうだその意気ドントネー

ハアーエーエンヤ ソラ ソラ
朝日が昇るよ(ソラエンヤコラ)
踊る鴎は 出船の友だよ
海の俺等は(ホーイサ ホイサト)
荒波育ち そうだその意気ドントネー

ハアーエーエンヤ エッサ エッサ
朝霧ついてよ(アラエンヤコラ)
船は櫓まかせ 櫓は主まかせよ
行くよ俺等は(ホーイサ ホイサト)
果てない海に そうだその意気ドントネー

中島尚彦

中島 尚彦

南カリフォルニア大学、ペンシルベニア大学ウォートン校、フラー神学大学院卒。音楽系ネット通販会社サウンドハウスの創業者。古代史と日本古来の歌、日ユ同祖論の研究に取り組むとともに、全国の霊峰を登山し、古代遺跡や磐座の調査に本腰を入れている。

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