これまで国家を失ったイスラエルの民の多くは、東方へ向かって旅をしたことを解説してきました。ほとんどの民は大陸を歩いて移動しましたが、一部階級層に限り船で航海し、アジア大陸の東側沿岸や日本列島に到着したと考えられます。西アジアからアジア大陸の東側沿岸に向かう海の航路は、紀元前21世紀以上もさかのぼるメソポタミア文化圏において既に見いだされているため、イスラエルの民が海を航海したと想定することに何ら不思議はありません。
では今一度、イスラエルの民が何故、東に向かって旅をし、海を越えて日本列島に到達しようとしたのか、何故、日本にそびえ立つ山々を慕い求め、そこに多くの神社を建立したのか、何故、多くの山々が御神体と呼ばれる聖地となったのか、その背景を理解するための鍵となる旧約聖書のイザヤ書を探ってみました。そこには国家の裁きと滅亡だけでなく、どうしたら民衆が生き延びることができるのか、その救済の道も説かれているのです。ここでは神学的な見解を一切省き、単に当時の人々の立場になって、そのイザヤ書を何十回も繰り返し読み聞きしながら、どういうメッセージが心に響くか、ただそれだけに焦点をあててみました。もし自らが故郷と国を失い、死の危機に直面し、神しか頼ることができず、その神が任命した偉大な預言者が書き記した書物しか頼るものがないとした場合、そこからどんなメッセージを心に受け取り、故郷を後にするかということです。
まず、繰り返される話題は十のキーワードにまとめられます。1ユダ(南王国)への裁きの宣告、2山、3水路と水、4タルシシュ船、5東の地、6海の島々、7神の栄光、8聖なるを継ぐ者、9新しい天と地、そして10新しいエルサレムです。これらのキーワードから浮かび上がってきた「生きる」ためのメッセージは明確です。それは、「海を渡った東方の島々にある、水があふれる山上に、新しい神の都、エルサレムが造られ、民が喜び楽しむ長寿の国となる」ということです。以下にキーとなる聖句の箇所をリストアップしたので、聖書を繰り返しお読みになり、「あなたならどうするか」ご自身で判断してみてください。
- ユダへの宣告(1:1)
- 山(2章、40章)
- 主の神殿の山(2:2) -主の山に来てイスラエルの岩なる神にまみえる(30:29)
- 高い山(30:25) -山々の頭として堅く立ち、どの峰よりも高くそびえる(2:2)
-高い山に登れ良い知らせをシオンに伝える者よ(40:9)- 聖なる山(11:9) -わたしの聖なる山においては、何ものも害を加えず、滅ぼすこともない
- 祝宴の山(26:6-10)
- 広い道のある山(49:11) -全ての山に道をひらき広い道を高く通す
- いかに美しいことか(52:7) -山々を行きめぐり、良い知らせを伝える者の足は
- シオンの山 ①難を免れた者が現れ出る ②産みの苦しみから子を産んだ
- 水路・川
- そびえ立つすべての山、高い丘の上に水路が造られて、水を運ぶ(30:25)
- そこには多くの川、幅広い流れがある(33:21)
- 岩から水 ①岩から水を流れ出させる 岩は裂け、水がほとばしる(48:21)
- タルシシュ船(2:16、23章)
- 移住の地を求めて遠くへ市民を運んだ(23:7)
- タルシシュの船を先頭に金銀をもたらす(60:9)
- あなたの子らを遠くから運んでくる(60:9)
- 東の地 (24:15)
- 主を尊ぶ
- 東では主の栄光を畏れる(59:19)
- 海の島々 (24章)
- 海の島々で主の御名を尊ぶ(24:15)
- 島々は彼の教えを待ち望む(42:4)
- 新しい歌を歌う-島々とそこに住む者よ(42:10)
- 主の栄誉を島々に告げ知らせよ(42:12)
- 島々よ、わたしに聞け(49:1)
- 島々はわたしに望みをおき わたしの腕を待ち望む(51:5)
- それは島々がわたしに向けて送るもの
- わたしの名声をきいたことも、栄光をみたこともない、遠い島々に遣わす(66:19)
- 神の栄光を伝える
- 彼らはわたしの栄光を国々に伝える(66:19)
- 万軍の主の熱情がこれを成就される
- 聖なる山を継ぐ者(66:20)
- すべての兄弟を主への捧げ物として、あらゆる国民の間から連れてくる(66:20)
- わたしは彼らのうちからも祭司とレビ人を立てる(66:21)
- ユダからわたしの山々を継ぐ者を引き出そう(65:9)
- 新しい天と新しい地
- 喜び楽しむ民を創造する(65:18)
- 長寿の国となる(65:20)
- 神のつくる新しい天と地(66:22)
- 子孫と名前が長く続く(66:22)
- エルサレムの神聖化
- 聖なる山、エルサレム(65:18)
- 再びエルサレムが聖別される(65:18)
- 神がエルサレムを喜びとする(65:19)
- エルサレムと共に喜び祝う(66:10)
- エルサレムで慰めを受ける(66:13)
- エルサレムは聖なる山(66:20)
扶余族にユダヤ人が入っていた事はその始祖が解夫婁(ヘブル=ヘブライ人)とされている事からも確実だと思います。応神朝に多くの秦氏が渡来している事も日本書紀に記載されており、彼ら秦氏の援助の下、平安京(エルサレム)が築かれたのでしょう。