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2021/10/22

「秋田音頭」に響き渡る囃子詞とは お囃子のルーツに潜むヘブライ語から意味を解明

秋田音頭の成り立ち

秋田音頭は江戸時代初期、今日の秋田界隈にて勢力を持つ久保田藩の藩主の要望に応じて、子女に手踊りをさせたことにルーツがあると言われています。当初、「御国音頭」と呼ばれた民謡は当初から盆踊で唄われ、三味線や太鼓、笛の音にまみれた軽快なリズムと囃子にのせて、おもしろおかしい言葉を唄いながら踊る音頭として広まりました。そして時が経つにつれて、各地の音頭にも取り入れられるようになり、いつしか「秋田音頭」と呼ばれるようになりました。

今日ではさまざまなバージョンの「秋田音頭」が存在し、多くの囃子詞が踊り手によって唄われています。「秋田音頭」は、唄われる地域の風習や伝統によって、その歌詞には若干の違いが見られます。中でも「秋田名物…」と唄う「秋田音頭」は有名であり、多くの庶民の間で唄い継がれています。

秋田音頭の囃子ことば

「秋田音頭」が著名な理由は、「ヤートセー」という印象的な出足のメロディーと、それに続く囃子詞と掛け声の連立、そしてその文句の面白さにあるようです。これらの甲高い叫び声は、単なる掛け声として唄われていながらも、長い歴史の中で多くの人に愛されてきた実績があるだけに、何らかの意味が込められていた可能性があります。

「秋田音頭」で唄われる主な囃子詞は以下が挙げられます。

ヤートセ
コラ
ハイキタカサッサ
コイサッサ コイナ
アーソレソレ

果たしてこれらの囃子詞には意味があり、遠い昔、人々はその意味を理解しながら唄っていたのでしょうか。

ヘブライ語で読む秋田音頭の囃子ことば

日本民謡で唄われる囃子詞の多くは、ヘブライ語で綴られています。これら囃子詞の意味をヘブライ語で辿っていくだけで、古代、人々がどのような思いで民謡を唄い、神を祀りながらお祝いをしていたか、その祭りの状況を垣間見ることができます。

民謡の宝庫とも言える秋田県から広まった秋田音頭も例にもれず、そこで唄われる囃子詞はヘブライ語で綴られていたと考えられます。それらの囃子詞は、一見、意味のない掛け声に聞こえても、実はヘブライ語で大切な意味をもっていたのです。そして短くて覚えやすい印象的なフレーズに纏め上げられ、独特なイントネーションを持つメロディーとして唄われることにより、多くの人が口ずさむようになりました。

秋田音頭で唄う「ヤートセー」「キタカサッサ」という多くの人に親しまれてきた掛け声のフレーズも、ヘブライ語なくては、その意味を理解することができないでしょう。そしてその囃子詞はいずれも、祭りの趣旨である神の崇拝に結びついていたのです。囃子詞の背景には日本建国の神を祭ることに関連したテーマが見え隠れしています。

「ヤートセー」の意味をヘブライ語で解明

そこで秋田音頭のトレードマークとも言える「ヤートセー」にまず、注目してみました。「ヤートセー」の「ヤ」は、神を意味するヤーウェー神の「ヤ」です。「ヤ」という言葉が囃子詞で多用される理由は、お祭りの現場では神が祀られているからに他なりません。

では「トセー」の意味はどうでしょうか。「ひとつとせ」という誰もが良く知っている童歌がありますが、替え歌にも頻繁に使われているこの唄では、数字を数える度に「とせ」という言葉が繰り返し登場します。この言葉にも何らかの意味があるはずです。

ヘブライ語には、「大喜びする」「生き生きとした」を意味するתוסס(toses、トセス) という言葉があります。その接頭語として「神」の「ヤ」を付け加えて「ヤトセス」とすると、「神は生きておられる!」「神が生きている!」という意味になります。そして「ヤトセス」を何度も繰り返し唄っているうちに、「ヤートセス」「ヤートセー」になったと考えられます。

また、代替え案として「トセー」をヘブライ語のתוציא(toziy、トツィー) と理解することもできます。その意味は、「出てくる」「取り出す」です。何か物を数えるさいに「ひとつ」「ふたつ」と、「トツ」をルーツ語とする言葉が続きますが、その「トツ」も、「出てくる」意味するヘブライ語が原語である可能性があります。また、国生みの神話の中で、天照大神が岩間にお隠れになった際に、大神を招き出すために掛け声をかけた際、叫んだ言葉が「ひとつ」「ふたつ」「みっつ」という数の並びです。その「とつ」「たつ」「つつ」という言葉は「ひ・ふ・み」と合わさり、「ひ・出てくる」「ふ・でてくる」という意味となり、1番から順番に毎度「出てくる!」と叫んでいたと想定されます。つまり「ヤートセー」はヘブライ語で直訳すると、「神が出てくる」という意味になるのです。

「ヤートセー」の意味は、ヘブライ語で「神は生きている!」という叫びの声か、「神よ、出て来てください!」という招きの声と考えられます。いずれにしても、秋田音頭で唄われ的きた囃子詞には、お祭りの際に、その場に神様が訪れることを期待する民衆の熱い思いが込められていたのです。

「コラ」の意味は「声」

「ヤートセー」に続く「コラ」という囃子詞も、ヘブライ語で意味を理解することができます。「声」をヘブライ語では、קול(kol、コル) と言います。そして語尾を変化させてקולה(kolah、コラ) とすると、「声」「彼女の声」という意味になります。

「ヤートセー」との意味を天の岩戸神話に紐づけて、天照大神に対して、「神よ、出てきてください!」と語り告げた言葉と解釈するならば、「コラ」の意味と見事につながります。すると、「ヤートセー、コラ」とは、「神よ、出て来てください!神(天照大神)の声」と理解できるのです。

また、「ヤートセー」の意味は「神は生きておられる!」という前提で、「ヤートセー、コラ」は、「神は生きておられる!その声を!」と解釈することもできます。

いずれも、「コラ」を「声」と解釈することにより、囃子詞の意味が浮かび上がってくるようです。

ヘブライ語で読む「ハイキタカサッサ」

「はいきたかさっさ」という掛け声は、一見、「はい、来たか、さっさと」という日本語のように聞こえます。その前後で唄われる囃子詞には、神が来られることや、神を讃える意味が込められていることから、「神よ、はい、来た!すぐに」と捉えることができます。しかしながら、全国各地の民謡で唄われる「サッサ」という囃子詞には、ヘブライ語で「喜ぶ!」という意味が込められていることから、「ハイキタカ」も同様に、ヘブライ語で読むことができるはずです。

まず「ハイ」は、ヘブライ語の感嘆詞、「見よ!」「あ!」「ほら!」「これだ!」を意味するהא(ha、ハ) が多少訛って「ハイ」になったと考えられます。

続く「キタ」は「王冠」「冠」を意味するכתר(keter、ケター、キタ) というヘブライ語が語源となっている可能性が高いと考えられます。「ケター」は旧約聖書のエステル記1章11節で使われ、日本語では「王冠」と訳されています。その語尾に「だから」のכה(ko、コ、カ) と「喜ぶ」の「サッサ」と付け加えると、「ハイキタカサッサ」が「ああ、王の冠だから、喜べ!」という意味になります。

「ヤートセー、コラ、ハイキタカサッサ」の意味が見えてきました。これらの囃子詞は、神を祀るという意味合いにおいて、文脈を成して繋がっていたのです。そこには「神は生きておられる、その御声、ああ、王冠を喜ぼう」という人々の信仰の思いが綴られていたのです。

秋田音頭 歌詞一例

ヤートセ コラ  秋田音頭です
ハイキタカサッサ コイサッサ コイナ
コラ  いずれこれより 御免こうむり
音頭の無駄を言う  (アーソレソレ)
当りさわりも あろうけれども
さっさと 出しかける
ハイキタカサッサ コイサッサ コイナ

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