民謡「会津磐梯山」の成り立ち
福島県民謡と言えば「エイヤー」と甲高い声で始まる「会津磐梯山」が有名です。そのルーツは会津地域に伝承されてきた「玄如節」にあると伝えられています。それがいつしか東山温泉周辺を中心に盆踊りとしても唄われるようになり、そのメロディーから「会津磐梯山」の民謡が生まれました。
1934年に「会津磐梯山」のレコードが発売され、一躍全国的に有名になったこの民謡は、その独特なメロディーと甲高い叫び声のような唄声が特徴です。そして今日まで多くの人々に愛されて唄われ続け、特に夏祭りや盆踊りの時期には、唄に合わせて人々が夜通し、熱狂的に踊り明かすことでも知られています。
「会津磐梯山」の囃子詞
「会津磐梯山」では唄の合間、一節ごとに「スッチョイ、スッチョイ、スッチョイナ」と、お囃子が叫ばれます。この囃子詞は日本語では単なる掛け声に聞こえますが、ヘブライ語で読むと、意外にも神を讃える言葉が浮かび上がってきます。
ヘブライ語で「喜ぶ」を意味する言葉として、שש(sas、ササ) もしくはשוש(sus、スッス) があります。その「スッス」に、「前進!」「いざ進め!」を意味するצועד(tsoed、チョエ) という言葉が組み合わさると「スッスチョエ」という言葉になり、それを口ずさむと自然に「スッ(ス)チョイ」という発音になります。すると「スッチョイ」とは、「喜び勇んで進め!」という意味になるのです。
「スッチョイ」とは、日本語の「エイ、エイ、オー!」という掛声のようにみんなで声をあげて、喜び叫ぶ囃子詞です。その意味は、ヘブライ語で「喜びの気勢をあげて前進!」を意味していたのです。