1. ホーム
  2. 民謡の囃子詞をヘブライ語で解読
2026/05/19

「こきりこ節」の意味と囃子詞の由来 「サンサ」と「デデレコデン」の真相に迫る

「こきりこ節」の由来

筑子節とも書く「こきりこ節」は、富山県の五箇山地方を中心に古くから多くの人々に親しまれてきた民謡です。日本民謡の中でも特に古い唄として知られていることから、古謡とも呼ばれています。また、複数の古文献に「こきりこ節」の名称が記されており、その歴史は中世まで遡るだけでなく、飛鳥時代にまで遡るという説もあります。今日「こきりこ節」は、国の選択無形民俗文化財にも指定されています。

民謡の名称である「筑子」(こきりこ)とは、大道芸などで用いられた竹の楽器を指します。細い竹を2本、指で回しながら打ち鳴らし、楽器のように音を出すのです。「こきりこ節」では、長さが七寸五分(およそ23㎝)の竹が登場することからも、短い竹の棒が楽器として用いられていたことがわかります。

イギリスからエリザベス女王が来日した1975年、宮中晩餐会において、この「こきりこ節」が日本の伝統を代表する音楽の一つとして披露されたことも特筆に値します。そして、五穀豊穣を祝い、その恵みに感謝することをテーマの一つとしてきた「こきりこ節」は、長年にわたり各地の祭礼において唄い継がれ、日本屈指の古代民謡として知られるようになったのです。

民謡の名称「こきりこ」の意味

最初に民謡の名称である「こきりこ」の意味を検証してみましょう。日本語だけでは意味を捉えにくいこの言葉ですが、西アジアのイスラエル言語であるヘブライ語に照らし合わせて読むと、別の意味が浮かび上がってきます。

「こきりこ」は二つのヘブライ語から成り立つ言葉と考えられます。まず、律法を意味するחוק (khok、コッ)に注目です。この言葉には、定められた法や規則という意味があります。また、ユダヤ民族が神との契約を守り、約束の地へ帰郷するという信仰とも関連づけて考えることもできます。続く「きりこ」は、類似した発音のヘブライ語で、本や記録を意味する「ケレッコ」、כרך(kerekh、ケレッコ) が語源になっていると推測されます。これら二つのヘブライ語を繋げると、「コケレコ」に近い発音になります。その響きが「こきりこ」と類似していることから、そこに語源的な繋がりがある可能性が見えてきます。つまり、「コケレコ」が日本語の中で変化し、「こきりこ」になったと考えられるのです。

この解釈に立てば、その意味は、「律法の本」あるいは「律法の書」と解釈できます。「律法」とは、聖書を通じて伝承されてきた神の教えや定めを指す言葉であり、神に従うことにより祝福を受け、やがて約束の地に戻ってくることができるという信仰と結び付けて考えることもできます。そのため、「律法の書」は、「帰郷録」のような意味合いを持つとも考えられるでしょう。

もし古来より「こきりこ節」が唄われていた背景に、こうした意味があったとすれば、「こきりこ」という名称と囃子詞の意味にも何らかの繋がりが見えてくるはずです。果たして囃子詞にも意味があり、それが「律法の書」を意味する「コケレコ」に結び付いていたのでしょうか。その答えは囃子詞の意味を紐解くことによって明らかにされます。

「まどのサンサ」「はれのサンサ」の意味

「こきりこ節」で唄う囃子詞は、「まどのサンサはデデレコデン」、「はれのサンサもデデレコデン」という、日本語だけでは不可解な表現があります。この囃子詞の中で繰り返し唄われる「デデレコデン」は、一般的には太鼓の音を擬したものであると説明されています。また「マドのサンサ」や「ハレのサンサ」は、意味の不明な囃子詞であるというのが通説です。しかしこれら囃子詞もヘブライ語で読むと、そこには大切な意味が込められていたことがわかります。

まず、「まどのサンサ」の「まど」は、その語源としてヘブライ語のמועד(moed、モェッド) が存在する可能性があります。「モェッド」の発音は、実際には「まど」とも聞こえます。「モェッド」「まど」とは、「決められた時」、「時の定め」、そして時には「祭り」や「祭日」をも意味する言葉です。その後に続く「の」は、願いをこめて「祈る」ことを意味するנא(na、ナ) と考えられます。

次に「サンサ」ですが、これは多く民謡で唄われている囃子詞の「サンサ」や「サッサ」と同様に、「喜べ!」を意味する言葉です。「喜ぶ」「喜べ!」を意味するヘブライ語としてשש(sas、ササ) もしくはשוש(sus、スッス) などの言葉があり、幸福や喜びとも関連する意味を持ちます。こうした言葉との関連を考えると、「マドのサンサ」は「祭りの時を喜べ!」という祭りの場に相応しい歓喜の叫びとして理解できるのです。

同様に「はれのサンサ」も歓喜を表す言葉として読み解くことができます。「はれの」は、ヘブライ語で「誉め讃える」を意味する、הלל (halel、ハレ) が語源でしょう。この言葉は「ハレルヤ」という誰もが聞いたことがある言葉のルーツでもあります。すると「はれのサンサ」とは、神を「誉め讃えて喜ぶ」、という祈りの言葉となります。そこには大胆な信仰告白の思いが込められていたのです。

このように、「まどのサンサ」「はれのサンサ」はそれぞれ、「祭りの時を喜べ!」「(神を)誉め讃えて喜べ!」と理解することができます。民謡の名称である「こきりこ」を「律法の書」という信仰的な意味とに結び付けて考えると、その律法に基づいて「祭りの時を喜び、神を誉め讃える」という囃子詞の意味も、一定の繋がりを持つように見えてきます。

「デデレコデン」の意味をヘブライ語で

次に「デデレコデン」の意味を解釈するにあたり、ヘブライ語で「道」の意を表すדרך(derekh、デレコ) という言葉に注目です。この言葉に前置詞などを加えた「バデレコ」בדרך(baderekh、バデレコ)は、「道を進む」、「進行中」の意味となります。また、「デデレコ」דדרך (dederekh、デデレコ)と解釈することも可能であり、「あなたの道」を意味します。いずれも「道」に関連する言葉になります。

続く「デン」は、ヘブライ語のדן (dan、ダン)と解釈することにより、その意味が見えてきます。「デデレコ」と合わせるとヘブライ語の綴ではדדרך דן (dederekh dan、デデレコダン)となり、「あなたの道を論じている」「あなたの道を話し合っています」という意味になります。前段の囃子詞で「祭りの時を喜び、神を誉め讃える」ことを唄っているだけでなく、「こきりこ」の意味が「律法の書」ということを前提に考えると、この解釈も自然と理解できるのではないでしょうか。

「こきりこ節」の囃子詞を解明

ここまで見てきたように、「こきりこ節」で唄われる「まどのサンサ」、「はれのサンサ」、「デデレコデン」は、ヘブライ語との関連から、それぞれ異なる意味を持つ言葉として読み解くことができます。すなわち、「祭りの時を喜べ!」、「誉め讃えて喜べ!」、そして「あなたの道を論じています!」と理解することができます。さらに、「こきりこ」の意味が「律法の書」であるだけに、これらの言葉は一つの流れとして繋がってきます。

神の律法について人々はきちんと語り合い、その教えに従いながら、神の恵みと祝福を受け、祭りにおいてはその喜びを分かち合い、神を誉め讃えるという信仰的な思いが、「こきりこ節」の囃子詞に込められていたのではないでしょうか。

こきりこ節

こきりこの竹は 七寸五分じゃ
長いは袖のかなかいじゃ
(まどのサンサもデデレコデン
はれのサンサもデデレコデン)

向かいの山に啼くひよどりは
啼いては下り 啼いては上り
朝草刈りの 眼をばさます
朝草刈りの 眼をさます
(まどのサンサもデデレコデン
はれのサンサもデデレコデン)

踊りたきゃ踊れ 泣く子を越こせ
ササラは窓の もとになる
(まどのサンサもデデレコデン
はれのサンサもデデレコデン)

向かいの山に光るもんは なんじゃいな
お星か螢か 黄金の虫か
(まどのサンサもデデレコデン
はれのサンサもデデレコデン)

今来る嫁の たいまつならば
さし上げてともしゃで やしゃおとこ
(まどのサンサもデデレコデン
はれのサンサもデデレコデン)

コメント
  1. とみさき より:

    こんにちは。
    7寸5分の意味はどんなでしょうか。。

  2. ヨウジ より:

    7寸5分は22.5cm
    1/2キュビト

  3. のりりん より:

    コキリコと言う名前の可愛い響きに惹かれます。しかしなぜヘブライ語なのですか?気になります。

コメントする